人口減が地方を強くする 浅見家の本棚 #67

浅見家の本棚

人口減が地方を強くする/藤波 匠

日本が抱える『人口減少』『少子高齢化』は本当なのか?

たまには、本当に真面目に本を。

非常にショッキングなタイトルの本ですが、テーマとしては『地方創生』を取り扱っています。
私達の生きている現代社会は、『人口減少』や『少子高齢化』と言われて久しいわけですが、果たしてそれは本当にそうなのか…ということについて、本書ではまず論じられております。

著者の藤波さんによりますと、地方から東京圏への人口の流出は、1年あたり僅か10万人ほどに過ぎない、とのこと。
…いや、地方に住んでいる私からすれば10万人でも結構すごい数なんじゃないかなとは思うのですが、その数字は『東京一極集中のイメージとは異なる』とのことです。
むしろ、東京圏よりも仙台市や福岡市と言った地方中枢都市の方が各地方の若者を吸い上げているのだとか。



人口の奪い合いは無意味。若者に対する、雇用や仕事の創出が求められる。

私自身も大学時代は仙台市に住んでいたため、街中を歩くと確かに若者の数が多かったようなイメージがあります。
と言いましても、私はそれまで東京に住んでいたわけでもなく遊びに行く程度であり、そもそも我が国の首都は人口の絶対数が他の都市と比較して多すぎるわけですから、あくまでも個人的なイメージでしかないのですが。

本書も終盤を迎えますと、藤波氏の最も言いたいことが大きく分けて2つに集約されます。
①そもそも人口減少が進む日本において、各自治体で人口を奪い合うこと自体が無意味。
②若者が地方に定着するには、それ相応の雇用・仕事を創出してあげることが何よりも大切。

『実は適正な数に近づいているのではないか』説(浅見ヨシヒロ談)

私達は、『人口減少』をついついマイナスに捉えがちですが、果たして本当にそうなのでしょうか。
戦後から高度経済成長期までの、人口が増え続けていた今までが特別とでも申しましょうか、『異質なもの』だったのではないでしょうか。
考えようによっては、日本の人口は適正な数に落ち着きつつあるのかもしれません。
私は本書を読み終えて、最後にそう感じました。

異論は受け付けます笑
但し、ハートが弱いのでお手柔らかにお願い致します。

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