FACT FULNESS(ハンス・ロスリング)

浅見家の本棚
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FACT FULNESS/ハンス・ロスリング

 

今年1月に発売されて以来、全国の本屋さんで大ヒットしている本といえば『FACT FULNESS』。
私達は日々流れるニュースや報道を見聞きし、『世界は悪くなる一方だ』と感じてしまいがちですが、それは誤りであることを本書は様々なデータを根拠に教えてくれます。



そんな『FACT FULNESS』は11章構造。
各章にてクイズが用意されているのが特徴ですが、恐らく現代人で全てのクイズに正解できる人はほとんどいないと思われます。

その理由は…人間が抱える合計10個の思い込みによる『世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず、格差も広がり、天然資源も無くなる』という古い常識から脱却できていないためです。

皆さんも、自分の常識や世界の見方がどれほど実際のデータと合っているのか…本書を通して確認してみましょう。

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第1章 分断本能

Q1.現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?
   →60%
Q2.世界で最も多くの人が住んでいるのは?
   →中所得国(低所得国ではない)
人間は物事を2グループに分け、両者の間に大きな溝を作りがち(分断本能)。
しかし、現実はそれほど劇的ではない。
実際には、世界の全人口の8割以上は『先進国』定義の国や地域に住んでいる。
『分断本能』を抑えるには、世界の見方を2つではなく4つのレベルで考え、大半の人がどの位置にいるのかを探すことが重要である。

第2章 ネガティブ本能

Q3.世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったか?
   →約半分になった
Q4.世界の平均寿命は現在およそ何歳?
   →70歳
人はネガティブな面に注目しやすく、『世界は悪くなっている』と勘違いする。
実際には世界は少しずつで進歩をしており、平均寿命に限らず、暮らしにかかわる指標は良化傾向にある。



第3章 直線本能

Q5.15歳未満の子供は、現在世界に約20億人。
   2100年に子供の数は何人になるか?

   →20億人
『世界の人口は増加する一方』という勘違いの原因は、『直線本能』。
確かに人口は増えてはいるが、そのスピードは緩やかになっており、世紀末には100億~120奥で安定する見込み。
Q6.2100年には今より人口は40億増えるとされているが、その理由は?
→大人(15歳~74歳)が増えるから
人口は増えているが、女性一人当たりの出産が減ることで子供の数は変わらない。
20億の子供がやがて大人になり、最終的には各世代の数が等しくなることで世界の総人口は伸びなくなる。

第4章 恐怖本能

Q7.自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?
   →半分以下になった
人間は恐ろしいものには自然と注目してしまい、それがリスクの過大評価に繋がる。
飛行機事故や戦争、テロによる死亡者がどんどん減少中であることには気づきにくい。
リスクを計算し、現実をよく見ること。

第5章 過大視本能



Q8.現在、世界には約70億人の人がいます。その人口分布は?
   →アジア40億、欧州10億、アフリカ10億、アメリカ大陸10億
人間は、一つの数字だけを見てそのことが重要だと勘違いしてしまいがち。
過大視本能を抑えるには、比較や割り算、『80.20ルール(8割はどこにあるか?)』を考えると良い。

第6章 パターン化本能

Q9.世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?
   →80%
一つの集団パターンを根拠に物事が説明されている際、その分類は疑うこと。
分類は『より小さく、より正確に』考えるように努め、『過半数』という言葉に騙されてはいけない。

第7章 宿命本能

Q10.世界中の30歳男性は、平均10年間の学校教育を受けています。
    同じ年の女性は何年間学校教育を受けているでしょう?
    →9年
宿命により、人や国や文化の行方が決まる…という思い込み(宿命本能)。
実際には、人や国、宗教、文化は日々僅かながらも進歩を続けている。
我々はそれを意識して、知識をアップデートしなければならない。

第8章 単純化本能

Q11.1996年には、トラとジャイアントパンダとクロサイはいずれも絶滅危惧種として指定されていました。この3つのうち、当時よりも絶滅の危機に瀕している動物はいくつでしょう?
    →ゼロ
一つの視点だけでは、世界を正確に理解できない。
知ったかぶりをやめたり、自分の考え方を検証すること。
多角的視点を持つと、現実的な解を見つけることができる。



第9章 犯人捜し本能

Q12.いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?
    →80%
悪いことが起きると、ついつい犯人を捜してしまうもの。
これにより、個人や集団が実際よりも影響力を持っていると勘違いを起こしてしまう。

誰かを責めても、根本的な解決にはならない。
犯人ではなく原因を捜し、逆に物事が上手くいった時はヒーローではなくその仕組みに目を向けることが大事。

第10章 焦り本能

Q13.グローバルな気候の専門家は、これからの100年間で平均気温はどうなると考えているでしょう?
    →暖かくなる(これは簡単)
焦って追い込まれてしまうと、愚かな判断を下してしまう。
地球温暖化は深刻なリスクだが、このような時こそデータを整理することが重要。
今すぐ決めなければならない…ということは、実は滅多にない。
データを確認するなど小さな一歩を重ね、過激な対策には慎重になろう。

第11章 ファクトフルネスを実践しよう



Q14.現在、スウェーデンで65歳以上の人の数は全体の20%です。
    10年後にこの割合はどうなっているでしょう?
今後は、教育やビジネス、ジャーナリズム(報道)といった様々なケースでファクトフルネスの実践が求められるようになる。
【教育】
事実に基づく世界の見え方は、子供達にこそ教えるべき。
世界は変わり続けている。
【ビジネス】
未来の市場は、アジアとアフリカにある。
子供達への教育同様に、知識と世界の見方について知識のアップデートが必要。
【報道】
報道も、ドラマチックな世界の見方に囚われている。
ファクトフルネスの視点でニュースを受け止められるか否かは、消費者次第

この本は、ハンス・ロスリングによって執筆が進められていました。
しかし…残念なことにハンス・ロスリングは2017年に亡くなり、その後を引き継いだオーラ・ロスリングとアンナ・ロスリングの手によって刊行されました。

毎日テレビを付けていると、凶悪事件や深刻な自然災害などの報道が耳に入ってきます。
その陰では同じ位の数の良いニュースが存在するはずなのですが、どういうわけかそれらは無かったことにされていたりします。



それもこれも、今回挙げられたような人間の本能がそうさせているのでしょう。
ハンス・ロスリングは、本書において終始述べています。
『世の中は、実はそれほど悪いものではない』と。

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