日本再興戦略(落合陽一)

浅見家の本棚
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日本再興戦略/落合 陽一

【再興】(さいこう)
いったん衰えたものが、勢いを盛り返すこと。
また、もう一度盛んにすること。



人工知能(AI)やブロックチェーンを始めとするテクノロジーの進歩、人口減少問題、少子高齢化等の社会現象などなど…
私達の未来は、これまでと比べて大きく変わりつつあります。

メディアアーティストや筑波大学学長補佐として全国的に活躍している本書の著者・落合陽一さんは、この本を通して私達に何を伝えてくれるのでしょうか?
先行き不透明な我が国が、将来に向けてどのように舵を取っていけば良いのか…

皆さん、普段スマートフォンをお使いになっている方が多いと思いますが、機種の中に入っているアプリは定期的にアップデートが行われます。
バグを修正したり、更に使いやすくしたり…。

落合さんの描く再興戦略のベースは、それと同じ。
『過去において日本は何が機能し、何が合わなくなってきたのか』ということを見極め、最適化することが必要だ…というのです。

本書の内容を、以下、各省毎に要約してみましたので、参考にしてみて下さい。
詳しく読んでみたいという方は実際に購入することをおススメします。

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第1章 欧米とは何か

『欧米』とは、ユートピア(どこにもない場所)。
明治以降、外来的に仕入れたもの全てを『欧米』と呼び、各国のいいとこ取りをし
たのが、現在の日本(そのため、時代に合わない部分が沢山ある)。
日本の原点(向き不向き)を見極めた上で、学ぶ価値があることと無いことを峻別する必要がある。
日本は2000年代に変われなかった。それが、現在にまで続く不景気の原因。
※特にITのソフトウェアの面で、シリコンバレーに大きく遅れを取った。
日本に向いているものを見極め、それを特化していくことが必要である。

第2章 日本とは何か

秀吉的政治(中央集権)と徳川的政治(非中央集権)。約260年も続いたことを考えると、非中央集権の統治スタイルが日本には向いている。
その中でも、日本にはカースト制度が向いている。
江戸時代の『士農工商』という身分制度は、実はとても良い序列である。
『士農工商』現在と過去の比較表

基本的に『商』の層は何も生産をしない・できない人達。
この先AIが普及すると、真っ先に省人化が進む。
これからは、生産する層(『農』『工』)に重点を置く戦略が必要。



日本が学ぶべきは、江戸以前の文化。
『ものづくり』へのリスペクトを回復させることが、日本の再興へと繋がる。

第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか

これから急速に発達するもの①
【自動翻訳】

AIの普及により、自動翻訳機能が大幅に進化する。
外国語を、今ほど必死に習得する必要はなくなるかも。
これから急速に発達するもの②
【ロボティクスと自動運転】
自動運転が更に普及すれば、時間の有効活用や渋滞・事故の減少が期待できる。
その他、物流コストも下がる。
これから急速に発達するもの③
【5G(次世代通信システム)】
現在の4Gと比べて、通信速度は約100倍。遅滞がほぼ無くなる。
遠隔地からの手術や介護、3次元空間の共有、自動車のオンライン化も進む。
これからは、人や物質、バーチャル等の全てがコンピューターによってミックスさせる世界になる(デジタルネイチャー)。

第4章 日本再興のグランドデザイン化



ネガティブな印象の人口減少と少子高齢化であるが、実は大チャンス。
①人が少なければ、自由化・省人化がスムーズに進む。
②人口減少・少子高齢化の対策モデルを輸出し、他国に売ることができる。
③子供への教育投資が社会善となる。
人口が減れば、ゲートの無い世界が生まれる。
駅やコンビニの無人化が進む。
日本はトークンエコノミー先進国。
これらを地方自治体の新たな財源とし、投資を行うことで税収を増やす。
→ローカル経済圏の確立(非中央集権が進む)
今後の日本の武器は…ロボット、ブロックチェーン、自動運転、トークンエコノミー、自動翻訳。

第5章 政治(国防・外交・民主主義・リーダー)

国防・自営軍の強化の柱になるのは、『自動化』。
今後、外交で最も仲良くするべきなのはインド。
中国を挟み込めるし、宗教的にも元は同じ。
カーストという身分制度も日本と相性が良い。
現在の民主主義はマスが大きすぎる。
非中央集権サイズで小さく区切った方が良い。
これから求められるリーダーは、弱さを持ち、後発を育て、意思決定と事務権限を分けて考えられる人。
完璧なリーダーが全てを背負い込む時代ではない。
尖った人物をトップに据え、足りない所は今後発達してくるAIで補えば良い。

第6章 教育

これからの教育は、子供がやりたがっていることは何でもやらせてあげることが肝要。
自動翻訳技術は今後間違いなく発達してくるので、英語を学ぶ必要性は今より薄れる。



第7章 会社・仕事・コミュニティ

これからの日本は、全ての時間がワークかつ生活となる『ワークアズライフ』が主流となる。
それを実現させるためには…
①士・農・工の層の所得を上げ、ホワイトカラー層(『商』の層)の整理を進める。
②男女のフェアな扱い(『男女平等』とは違う)
③年功序列との決別
とにもかくにも、日本の再興は教育からスタートする。
士・農・工の地位の確立化と、老若男女のフェアな扱いを実現させて生産性を上げる。

以上、落合陽一さんの『日本再興戦略』を要約してみました。

日本は今、一昔前と比べて活気を失っていると言われています。
だからこそ『再興』という言葉が出てきているわけでして、そんな現状を考えると憂鬱な気もしてきますが、著者の落合さんはこうも言っています。

我々の世代の次の一手で、日本のこの長きにわたる停滞は終わり、戦況は好転する。
バックグラウンドとビジョンを拡張し、世界に貢献する。
日本にとって、そして世界にとって、今ここが『始まったばかり』。
(本文より引用)

ネガティブなことばかりではありません。
ここからスタートさせれば、日本の未来はそれほど悲観するべき状況ではないと思います。



『しっかりと準備し、来たるべき時代の変化に備えなければならない』ということは勿論ですが、そのような前向きになる姿勢を本書を通して学べたような気がします。

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