これ、いったいどうやったら売れるんですか?(永井 孝尚)

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これ、いったいどうやったら売れるんですか?/永井 孝尚

今回要約する本は、『これ、いったいどうやったら売れるんですか?』
著者の永井 孝尚さんは『100円のコーラを1000円で売る方法』の作者としても知られていますね。



昨今は、特に小売業にとって厳しい時代と言われています。
しかし、その一方で順調な経営をしているお店があるのもまた事実。

売れていないお店と、売れているお店。
両者の差は、マーケティングにあると永井さんは、本書の冒頭で述べています。
早速、中身を要約していきましょう。

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第1章 腕時計をする人は少ないのに、なぜ腕時計のCMは増えているのか?

『バリュープロポジション』と『ブルーオーシャン戦略』

『正確な時を知る』価値はコモディティ化したが、各メーカーはジョギングや登山に特化したものや、世界中で使えるGPS内臓のものなど、顧客がお金を出す理由を創り、腕時計の新たな市場を生み出した。
顧客は、『欲しいと望み、かつ、その商品しかない』と知ってお金を出す。
売れる商品を作るには、明確にターゲットを絞り込み、お金を出す理由(バリュープロポジション)を考えることが絶対条件。
大事なことは徹底して顧客の立場で考え、潜在的なニーズを見つけ出すこと。
これにより、競合が少ない『ブルーオーシャン戦略』を進めれば、売れるモノづくりが可能となる。

第2章 ヒトはベンツを勝った後どうしてベンツの広告を見てしまうのか

『顧客』と『ブランド』

高価な買い物をした後に人間は不安になるため、フォローが必要(認知的不協和の解消)。
そして不安が解消された人は、継続的な顧客(ファン)になってくれる。
顧客は思い入れの度合いにより、『潜在客』→『見込客』→『新規』→『リピーター』→『贔屓客』→『信者』へと進化(顧客ロイヤルティ)。
それを高める方法は、期待以上の顧客満足を提供し続けること。
『顧客ロイヤルティ』が高い顧客は、莫大な利益を企業にもたらす。
買ってもらった後こそ、努力を惜しんではいけない。
『商売は販売して終わりではない、始まりだ』
どの顧客に価値を提供するかを考え、正しい顧客を選ぶ。
そして常に期待以上の顧客満足を続け、裏切らないことで、その会社のブランドが作られる。



第3章 雪の北海道でマンゴーを育てる?

『商品戦略』と『顧客開発』

豊富な雪と温かい温泉水、日照時間という十勝の特性に、宮崎からのサポート、贈答品としての隠れたニーズの存在により、北海道に真冬のマンゴーが誕生。
商品開発の真の目的は、顧客を作ること。
この場合、十勝と宮崎の関係性は互いに補完的生産者であり、冬にマンゴーを食べる顧客開発を実現させている。
すなわち、『イノベーション』である。
その際、顧客も気付いていないニーズを見つけ出し、それに応える商品を開発するのが企業のあるべき姿。
大切なのは、主役は商品ではなく顧客であるということ。
商品が主役の『プロダクトアウト』に陥らないためには…
 『そもそも、うちのお客さんって誰だっけ?』
 『これって、お客さんにとって何がいいんだ?』
と、振り返ってみると良い。

第4章 あの行列のプリン屋が赤字の理由

『価格戦略』

売上から経費を引いて、利益が残らなければ商売の継続はできない。
価格を間違うと、会社は潰れてしまう。
『コストは事実、価格は戦略』
価格を決める2つの方法は
①コスト基準型…先にコストを見積もってから、価格を決める。
②価値基準型…先に価格と価値を決める。
この価格戦略ができていない会社やお店が、日本には実に多い。
『安さ』に左右されない、価格戦略の考え方
①オプション製品の価格設定…トッピング等による客単価増加
②体験を売る…『○○教室』等の開催で、ファンの拡大へと繋げる
③レシピを売る…姉妹店に加え、売上に応じたロイヤリティ徴収
価格は、戦略次第でいかようにも変えられる。
商売が成功できるか否かは、『価格戦略』と『マーケティング』次第。
そして『価格戦略』は『ビジネス戦略』。

第5章 なぜセブンの隣にセブンがあるのか?



『チャネル戦略』と『ランチェスター戦略』

商品を売る側は、どのようなチャネル(窓口)を用意すれば売上に繋がるかを考える(チャネル戦略)。
一見、非効率に見えるセブンの立地方法だが、敢えてその戦略を選択している。
セブンは頻繁に補充を行い、売筋商品の欠品を防いでいる。
そのため狭い地域に店舗を集中させ、配達効率と商品の頻度を高めている(ドミナント方式)。
ランチェスター『強者の戦略』(イオン)
基本は、『広域』『総合力』『遠隔戦』。
安定力は確かにあるが、限界も見え始めている。
ランチェスター『弱者の戦略』(セブン)
基本は、『局地戦』『得意技』『接近戦』。
セブンは『弱者の戦略』を徹底し、イオンを凌駕している。
更にセブンは、レジにおいて年齢・性別のデータを取得。
どの商品を、いつ、どんな時間帯に、どんな人が買ったのかを調べ、商品開発にまで活用している。

第6章 女性の太った財布には、何が入っているのか?

『プロモーション戦略』と『マーケティングミックス(4P)』

『はなまるうどん』は、原点の『いかに女性に来てもらうか』を再考。
そこで着目したのが、
『パンパンに膨れた女性の財布には、何が入っているのか?』
女性はクーポンが大好き。
そして、そのクーポンの6割は期限切れになっており、これを女性客来店のきっかけ作りとした(他店の期限切れクーポン持参で、50円引き)。
ターゲット顧客層の実態を把握し、新商品をプロモーション。
『顧客ロイヤルティ』における、潜在客や見込客を取り込み、自店のファンに育てようする第一歩(プロモーション戦略)。
これまでに触れた、『商品戦略』『価格戦略』『チャネル戦略』『プロモーション戦略』をまとめたものが『マーケティングミックス』。

その上で欠かせないのは『バリュープロポジション』、つまり顧客がその商品やサービスにお金を出す理由を創り出すことである。

第7章 きゃりーぱみゅぱみゅは、なぜブレイクしたのか?

『イノベーター理論』と『キャズム理論』

新しいものが世に普及する時の反応は、まちまち。
何でも積極的に取り入れようとする人は、全体の2%弱。
ほとんどは他の反応次第で可否を判断するに過ぎない(イノベーター理論)。
この時、少数派と多数派の間に生じる境界を『キャズム(谷)』と呼ぶ。
『キャズム』を超えると、新しいものはブレイク。
きゃりーぱみゅぱみゅも、こうして世に浸透していった。
キャズムを超えるには、方法がある。
ライバルがいない市場を選び、ターゲットを定めたら確実に攻略。
更にターゲットを広げ、少数派を多数派へと変えていく。
『ブレイクは待つものではなく、仕掛けるもの』



第8章 古本屋がふつうの本屋より儲かる理由

マイケル・ポーター『5つの力』と『競争戦略』

ブックオフは『安くていいから引き取ってほしい』という人から本を仕入れている。
買取りの際にチェックするのは簡単な項目のみのため、人件費の高騰を防いでいる。
マイケル・ポーターが提唱した『5つの力』は、
市場関係者を『買い手』『売り手』『新規参入業者』『代替品』『同業者』に分け、その力関係によって戦略を考える…というもの。
結果、古本屋業界では
①『安さと品揃えに強いブックオフ』
②『専門性に特化した他の古本屋』とで棲み分けが行われ、競争を回避。

一方で…普通の本屋は、5つのどの市場に対しても弱い立場
ビジネスで戦うための、方法は以下の3つのみ。
①コストリーダーシップ戦略…業界で、最も低コストを目指す。
②差別化戦略…顧客の特定のニーズに対してベストを目指す。
③集中戦略…狭い市場で徹底的な差別化を目指す。

商売を成功させるには、『バリュープロポジション』と『ブルーオーシャン戦略』により、顧客・市場のオンリーワンになることを目指さなければならない。

一見難しそうな名前の理論が登場する本書。
しかし…身近にあるお店を例に取り、素人にも分かりやすいように解説がされているのでスラスラと読み進めることができます。

まずはマーケティングの入門書として、いかがでしょうか?



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