大人のための読書の全技術 浅見家の本棚 #93

浅見家の本棚

大人のための読書の全技術/齋藤 孝

読み終わった本の内容を忘れてしまう…

皆さんは、このような悩みをお持ちではありませんか?
人間は忘れてしまう悲しい生き物で、100%解決…というのは恐らく難しいことでしょう。

本書の著者である齋藤孝先生は、このブログではお馴染みの方です。
他の本も何冊か紹介させて頂きましたが、この本はそれら読書論を取り扱った本の総まとめとでもいうべき存在で、タイトルの名に恥じない質と量に仕上がっているといえます。

ただ、これだけでは分かりにくいと思いますので、齋藤先生が教える『読書の全技術』について私が個人的に気に入った箇所について触れていこうと思います。

『読書』に対する意識付け

まずは、『読書』に対する意識付けです。
この”意識”については、なにも読書に限ったことではありません。

何事も目的意識を持って取り組むことが重要でして、ただ漫然と事を行ったのでは満足する結果は繋がってきません。
齋藤先生も、『読書』に対する意識付けとして、下記のように触れています。

本を読む目的を設定することは、つまり、「今読んでいる本の内容を、誰かに説明するのだ」と決めること。
(本文より引用)

アウトプットを意識した読書を心がけよう。
(本文より引用)

二つの文章を引用させて頂きましたが、どちらも趣旨は同じです。

ただ単に本の内容を自分の中に取り込むだけではなく、アウトプットすることを意識することでインプットの質も量も変わってくるのだ…ということですね。

私もこの『アウトプット』の重要性を意識したことがきっかけで、本ブログ『浅見家の本棚』を始めました。
下手くそな文章なので皆さんに全てを伝えきれてはいないでしょうが…。

VS 電子書籍

今は、どの業界も電子化やデジタル化が急速に進んでいると言えます。

最近仕事で知り合った、歯科技工士さんと話す機会がありました。
細かい作業をするイメージの強かった歯科技工士さんですが、この業界ですら今はデジタル化が進んでおり、今はキャドソフトを使って歯に入れる詰め物を作製しているのだとか。

出版業界も然り…です。
電子書籍が世に出て久しいですが、齋藤先生はその分ハードの進化によって次々に媒体が出現し、新しい物ほど使えなくなるスピードもまた速くなるのでは?と警鐘を鳴らしています。

それに対して紙の本は古びません。
現在の形が既に完成された状態なので、これ以上どうにもしようがないからです。
やはり、長く伝わってきた物には伝わってきたなりの理由があるのです。

紙の本と、電子書籍。
どちらが凄いか!?というよりも、両者が互いの強みを活かして出版業界を長く支えていってほしいと切に願っています。

多読の効用

これも同じく齋藤先生の本ですが、以前書いた書評で『文系のための理系読書術』というものがありました。

『文系のために理系読書術 浅見家の本棚 #89』

『文系だから』とか『理系だから』というだけで、互いに相反する分野の本を避けていては勿体ない…ということがまとめられている本でした。
本書においても齋藤先生は様々なジャンルの本を読んでみることを私達に薦めてくれています。
以下、引用します。

読書をするときに自分の好きなジャンル、得意なジャンルばかりではなく、いろいろな領域のものを読むことによって、全体を見る目を養うことが大切だ、ということです。
(本文より引用)

この『文系のための理系読書術』を読み終えてから、実際に私も積極的に理系の本を手に取るようになりました。
宇宙の話だったり数学についてだったり、知識はまだまだ追いついていませんが本当に視界が広がるような感覚で読み進めることができています。
これが多読が生む効用なのではないかと気付き始めました。

以上が、私なりに印象に残った『大人のための読書の全技術』です。
気になった方は是非読んでみて下さい。

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