幕末雄藩列伝 浅見家の本棚 #87

浅見家の本棚
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幕末雄藩列伝/伊東 潤

もう何度もこのブログでお話ししていることですが、本年2018年は明治維新から丁度150年という節目の年です。

明治維新から150年ということは、つまりは戊辰戦争からも150年ということになるのですが、私のような福島県出身の人間からすると『戊辰戦争』の方がしっくりと来るような感覚があります。

これはひとえに『被害者意識』がそうさせているとしか思えないのですが、やはり西日本の人からすればその逆で『戊辰戦争』よりも『明治維新』の方が馴染むのでしょうか?
西日本の人と話す機会があれば、いつか聞いてみたいものです。

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誰だって出自を辿っていくと…

まずは本文から引用させて下さい。

幕末から維新にかけて、英雄豪傑から凡才や奸物まで、多彩な人物が登場しては消えていった。
元を正せば、彼らの大半がいずこかの藩に所属しており、藩は、その人物の人となりを形成していった母体だった。
(本文より引用)

当たり前と言えば当たり前の話なのですが、人は誰にでも出身地があります。
どこで産まれ、どこで育ったのか…人間の性格はバラバラでも、どこで育ったのかということは本当に重要で、『藩』という組織がそこに住む人々の気風を形作っていたのですね。
有名なところでは水戸藩=尊王といったところでしょうか?
幼少期からの地道な教育などがやはり根底にあると言えそうです。

そういった基本的な考え方を基礎として、本書の内容は進みます。
薩摩や長州、土佐、会津といった幕末においてメジャーな藩は勿論ですが、請西藩(じょうざいはん)のような玄人ウケするような藩も登場し、幕末好きにはたまらない内容に仕上がっているのが本書の特徴ですね。

以下に、個人的に印象に残った藩について列記していきたいと思います。お付き合い下さい。

薩摩藩

今年の大河ドラマ『西郷どん』でお馴染みの薩摩藩。
幕末期、薩摩藩は先進的な藩主である島津斉彬の指導の下で近代化を押し進めておりました(ここでいう近代化とは単に軍事力の強化だけを指すのではなく、年貢だけに頼っていた藩の収益構造の改革も含まれています)。

斉彬は志半ばで亡くなりますが、身をもって西欧列強の強さを知ったその遺志を西郷ら藩士達が引継ぎ、明治維新の急先鋒となったのが薩摩藩です(表向きはね…)。

彦根藩

本書では、著者の伊東氏が彦根藩を

先祖の名誉を踏みにじった幕末最大の裏切者

とバッサリ断じています。
藩祖と呼ばれる井伊直政の活躍を知っていれば、その評価も致し方ないかなといったところです。

特に、安政の大獄では藩主の井伊直弼が大老を務めていたことを考えれば、裏切者以外の何物でもありませんよね。

仙台藩

明治新政府にとって最も不気味な存在であったのが仙台藩だった、と伊東氏は述べています。
その状況的利点を活かしてもらいたかったところなのですが、東北屈指の雄藩もいざ戊辰戦争が始まると心底頼りにはならず、会津や我が二本松藩を救えなかった印象は拭えません。
『眠れる獅子』とは言いえて妙な比喩だと、本書を読んで思いました。

佐賀藩

幕末の佐賀藩と言えば、なんといっても鍋島閑叟。
『薩長土肥』と、よく四番目に名前が挙げられる佐賀藩ですが、私はこの佐賀藩の存在が新政府の進める洋式化に最も貢献したと読んでいます。
薩摩の島津斉彬同様、先見の明を持つ藩主・鍋島閑叟の存在は佐賀藩にとって非常に大きいものだったでしょう。

天はしかるべき時に、しかるべき男を送り込むものである。
(本文より引用)

庄内藩

戊辰戦争と言えば、奥羽越列藩同盟の連戦連敗が描かれますが、実は庄内藩だけは何度も西軍を撃退していたことはあまり良く知られていません。
酒井玄蕃という有能な指揮官の下、藩士と農兵が共に協力し、豪商・本間家が財政的にそれを支える…という背景があったことを本書を通じて勉強することができました。

二本松藩

最後に、私の地元である二本松藩に触れさせて下さい。
二本松藩も多くの東北諸藩と同様に奥羽越列藩同盟に加盟し、最後まで降伏という道を選ばず抗戦したのですが、その裏では二本松少年隊の悲劇などが生まれました。
軍備はお世辞にも進んでいたとはいえないものだったようですが、義に殉じた二本松藩士の志を私は忘れませんし、出来るだけ長く後世に伝えていかなければならないものだと思っています。

最後に…

徳川慶喜は長州藩よりも薩摩藩を嫌っていたようなのですが、私は長州藩を好きになれそうにないので、ここでは触れないこととします。申し訳ありません。

以上、本日の記事はいつもより長々としたものとなってしまいましたが、今年は戊辰戦争から150年という節目の年なので、こういった記事が増えるやもしれません、ご了承下さい笑

 

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