課金ポイントを変える利益モデルの方程式/川上 昌直
ビジネスモデル=儲ける仕組み
私個人の仕事がら、様々な経営者の方と接する機会が多いのですが、面白いほどに『経営』というものに対する考え方がその人によって違います。
ビジネスモデルとは、言うまでもなく会社や事業者が『儲ける仕組み』です。
『儲ける』という言葉を聞くと、我々日本人はどこか後ろめたいイメージを抱きがちですが、会社を経営し続けていくためには『儲け』…つまり利益の確保は必要不可欠であり、なんら恥じる必要はありません。
世間は『好況である』らしいのですが、少なくとも私が普段接している経営者の方はその空気を実感できていないのが実情で、そこは経営環境の悪化というどうしようもない要因もあるのですが、経営者自身の努力の仕方がズレている…つまり顧客に対する価値の提案方法の軌道修正が必要である…というのが本書を読み終えた私の個人的な感想です。
地方の経営者は頑張っていないわけではありません。
ただし、バブル期のような『ジッとしていてもモノやサービスが売れる』時代はとっくの昔に終わっており、そういった時代の流れに乗じた経営が今は求められているのです。
顧客価値、顧客満足度が現代経営のカギ
本書の著者である川上昌直氏は、そんな悩める経営者に対して
『顧客価値提案が停滞しているのであれば、いっそ利益から考えてみてはどうか。』
(本文より引用)
というビジネスモデルを提唱しています。
更に川上氏は、
『利益とは顧客満足を実現し続けるための制約条件であり、将来の顧客満足を生みだす土壌にもなる』
(本文より引用)
とも述べています。
更にこの本を読んで驚いた事があります。
それは、普段私達が利用しているようなメジャーな会社が思わぬ利益構造のビジネスモデルを有していることです。
ただ座っているわけではない!? 儲けている会社は儲けるために様々な手法を用いている
例えばAmazon。
ネットが主流となっている現代において、恐らくAmazonを利用したことが無い人の方が少ないのではないでしょうか?
Amazonは我々消費者が思わず注目しがちな家電製品を赤字覚悟で販売し、主力商品である本も買ってもらうような仕掛けを実装しています。本は定価販売ですから、こちらでしっかりと利益を確保するという戦略ですね。
次なる事例は皆さんご存知のLINE。
無料で通話やチャットが可能なメジャーな存在のサービスですが、このLINEはどのようにして利益を得ているのでしょうか?
その答えはスタンプやゲームです。スタンプやゲームで課金をしてくれているユーザーさんがいるお陰で、無料のサービスが実現されているようですね。
そして最後に挙げるのが、『TSUTAYA』でお馴染みのCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)。
CDやDVDのレンタル等が主商品だと思いきや、その実態はデータベースマーケティング企業だと川上氏は本書で解説しています。
私も持っていますが、Tカードの購買履歴を基に様々な販売戦略に活用しているようです。
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