『人口が減り、教育レベルが落ち、仕事がなくなる日本』/山田 順
『貧しさ』の定義
私も、この本の著者である山田氏同様、今の我が国について、とてもではありませんが楽観視をしている側の人間ではありません。
しかし、本書については納得できる部分も勿論あったわけですが、その反面疑問に思う箇所も当然ありました(こういうことは読書をしていると多々ありますね)。
例えば、山田氏が作中で説明されている『国民一人当たりのGDP(購買力平均換算)の低下』についてがそうです。山田氏は、この『一人当たりのGDP(購買力平均換算)』の値が、日本はシンガポールやブルネイ、香港、台湾より下回っていることから『我が国は貧しい』という結論を出されています。果たして本当にそうでしょうか?
日本人は貧しいわけではない
必要以上に日本を持ち上げる気は私には更々無いのですが、その逆で卑下する必要もないかと個人的には思っています。以前読んだ、藻谷浩介氏の『デフレの正体』か『里山資本主義』のどちらかに書かれていたと思いますが、藻谷氏によれば『日本人が所有する金融資産は、国際的に見てもかなり多額である』とのことです。
つまり、現代に日本人は『貧しい』わけではなく、『お金を使わずに所持しているだけ』なのです。厳密にいうと、日本という国は貧しいのかもしれませんが、国民自体はお金を持っている…ということですね。
ただし、ここで重要なのは『日本人全体が所持している金融資産』が国際的に高いだけであり、『日本国民の所持する金融資産の平均額が高い』というわけではないということです。ここで問題となってくるのは、貧富の差と言いましょうか、格差の問題ということですね。
大事なのは、『今後どうお金を使ってもらうのか?』ということ
確かに日本という国の現状は、先行きが明るいものばかりではありません。現状を楽観視することなく、グローバルな視野を持つことも確かに重要なこととは思いますが、まずは内需を賑わす…つまり所持されていても眠ったままになっている金融資産を使ってもらうためにどうするか…ということを講じていくことが日本の豊かさや成長を満たすことに繋がるのではないかと個人的には考えています。
なお、今回の私の意見はあくまでも個人的なものです。豆腐のような打たれ弱いハートの持ち主ですので、あまり批判しないで下さい笑
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