父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。(ヤニス・バルファスキ)

浅見家の本棚
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父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話/ヤニス・バルファスキ

こんばんは。
皆さん、有意義な年末年始をお過ごしでしょうか?
2020年のブログは、『レトロゲーム』ではなく『読書』でスタートです。



昨年も数多くの話題本が店頭に並びましたが、一年の始まりは2019年を象徴する一冊『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』です。

『経済学』には、万人を寄せ付けない不思議なオーラが存在します。
そのため…用語の一つ一つが小難しく感じてしまいますし、本書のように若者を対象とした本が数多く生まれる所以なのでしょう。

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第1章 なぜ、こんなに『格差』があるのか?

市場と経済は違う。
市場は昔から存在していたが『言語』と『余剰』の誕生により、経済が生まれた。
その一方で…オーストラリア大陸のような自然豊かな土地では『余剰』は生まれなかった。
テクノロジー(農耕技術)も発達せず、自衛の能力を持てなかったため、イギリス人に侵略されてしまった。
『余剰』の蓄積には、権力の集中が必要。
資本の原理により、富は支配者に偏る仕組み。
つまり…格差は『余剰』によって生まれるものである。

第2章 『市場社会』の誕生

エコノミーの元々の意味は『家庭を運営し、管理するための法則』。
現在の経済を表すには、『アゴラノミー(市場の法則)』の方がふさわしいかもしれない。
市場社会は、生産活動が市場を通して行われた際にスタート。
生産の三要素である『資本財』・『土地』・『労働者』は商品となり、交換価値を持つようになった。
転換点は、大航海時代によるグローバル貿易。
イギリスの領主達が、囲い込みにより労働力と土地を商品にした。
追い出された農奴は、工場労働者や地主に賃料を払う農民となった。



第3章 『利益』と『借金』のウエディングマーチ

人助けの際には満足感が経験価値にはるが、借金の場合には、その見返りとして利子が発生。
これが、貸し手側の大きな動機となる。
封建時代までは【生産→分配→債権・債務】というカネの流れだったが、土地や労働が商品となったことで、生産前に分配が始まるようになった。
産業革命により技術は発達したが、借金をしなければ手に入らなくなった。
企業家や労働者はますます過酷な状況となり、借金と利子の存在により格差は拡大していった。

第4章 『金融』の黒魔術

銀行が貸すお金の源泉は、正しくは預金者のカネではない。
キーボードを叩いて無からお金を生むことで経済を循環させ、儲けている。
銀行は、お金を貸して貸して貸し続ける。
中央銀行も、残高に数字を加えてお金を生み出す。
国家は債務のリスクを背負い、通貨に信頼を持たせている。
公的債務は『悪』のように扱われているが、少なすぎても問題。
流動性の高い国債が無ければ経済は停滞し、たちまち市場社会は立ち行かなくなってしまう。



第5章 世にも奇妙な『労働力』と『マネー』の世界

『選ばなければ仕事はある』、人はこのように考えがち。
希望を下げて低賃金の仕事をしようとすると、更に仕事を見つけにくくなるかもしれない(狩人のジレンマ)。
企業は売上と経費の差し引きで雇用の是非を判断するが、労働市場は経済の先行に対する空気に左右されるもの。
賃金を調整しても雇用は増えないし、失業者が増える可能性もある。
市場参加者は、経済に関する悪い予言(賃金や金利の引下げ)を自ら実現しがち。
労働市場とマネー・マーケットには景気回復を妨げる『予言の力』が働いている。

第6章 恐るべき『機械』の呪い

『機械が全てを解決してくれる』は、夢物語。
人間はむしろ、機械を維持するために必死に働いている状態。
人はカネを循環させ、消費をする。
ところが、機械化が進むとある時点でモノが売れなくなる。
市場社会には、人間が生産活動から排除されないシステムが組み込まれている。
これからは機械を賢く使い、それが全ての人に恩恵を」もたらすような大転換が求められる。
(例えば、企業が所有する機械によりもたらされる恩恵を全ての人が共有する仕組みが構築されれば、富が循環し始める)

第7章 誰にも管理されない『新しいお金』



通貨は年々小さく軽くなってきており、キャッシュレスも増加中。
通貨を通過たらしめているのは、信頼である。
民主主義国の中央銀行であっても、実際は政治と繋がっている。
しかし…2008年、コンピューター内にだけ存在し民主的かつ安全に運用されるデジタル通貨・ビットコインが生まれた。
しかし、いかなる通貨も完全に国家や政治から切り離せすことはできない。
マネーサプライはデフレと景気後退に有効だが、人々に与える影響は不公平。
その対策は通貨の民主化しかないが、決して簡単ではない。

第8章 人は地球の『ウイルス』か?

映画『マトリックス』で触れられている通り、人間は地球にとってウイルス以上の危険な存在。
破壊からは交換価値が生まれるため、環境保護に意識が向きにくい。
環境破壊を防ぐには、かろうじて残っている川や森、大気を『株券』などを使って交換価値に変える…という考え方が主流になりつつある(自然の商品化)。



これからは通貨やテクノロジーだけでなく、資源や生態系管理の民主化も必要。
市場には良い点もあるが、利益が最優先されて地球環境は危機に瀕している。
市場主義では、地球は守れない。
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