死神の浮力 浅見家の本棚 #90

浅見家の本棚

死神の浮力/伊坂 幸太郎

春が終われば、梅雨がやってくる

浅見ヨシヒロです。
何度もこのブログで触れている通り、もうすっかり季節は春となりました。

春といえば桜、そしてお花見です。
実は今週末…私の住む二本松市では『市民観桜会』なるイベントが予定されておりまして、我が職場も原則全員が参加し、他の市民の方々と桜を楽しんで参ります。

そこで気になるのが天候です。
先程ヤフーで今週土曜の天気予報を調べてみたところ、その結果は…

曇りのち、雨!!

もう、見た瞬間テンションが落ちてしまいました。
まだまだ梅雨入りには時間があるというのに、雨の心配をしなければならないとは…。

前置きが長くなってしまいました。
これから4月と5月が過ぎますと、先程話したように梅雨がやって参ります。
実は私は雨という天気自体はそんなに嫌いではなくて、特に休みの日の朝に雨が降っている音を聞きながら目を覚ました時なんかはちょっぴりテンションが上がったりします。

今回のブログは梅雨…つまり雨天時に読みたい本ということで伊坂幸太郎さんの『死神の浮力』を紹介させて頂きます。

雨男の死神…千葉

この『死神の浮力』は2013年に発売された本なのですが、実は前作がありまして映画化もされています(『死神の精度』)。
このシリーズの主人公である『千葉』は、タイトル通り死神さんなのですが、異様な音楽好きということの他に、もう一つ特徴があります。
それは、彼が本来の『死神』の仕事をするために下界に降りると、必ず雨が降るということです。

『まさかそれだけの理由でこの本を薦めたのか?』という疑問を抱かれた方もいらっしゃるでしょう。

はい、私はそれだけの理由で今回この本を紹介させて頂きました!!
小説としての中身も勿論抜群に面白いのですが、このシリーズは読後に『雨』という天候がどこか憎めない存在になってしまうのです(あくまでも個人的な見解ですよ…)。

誰にでも訪れる『死』というものに対して…

誰にでも『死』は訪れます。
それがいつ自分や家族・友人に訪れるのか分からないだけで、逃げようのない現実です。
本書はまず、山野辺 菜摘という少女が何者かに殺されるという設定で始まります。
その父である山野辺 遼が妻の美樹と共に犯人に復習を遂げることを計画するのですけども、その山野辺 遼担当の死神として現れるのが主人公である千葉です。

この世界でのルールとしては、まず死神が近々死ぬ予定の人物に調査として接近し、一週間という期間でその人間に死を与えるべきか否かを判断する…ということになっています。

千葉は仕事に熱心な死神で、本作では山野辺 遼に近づき例外なく一週間調査を行います。

復讐を計画する山野辺夫妻と千葉7日間のやり取り、そして彼らを取り巻く登場人物達が織り成すストーリーは本当に秀逸で、小説を楽しみながらも私は自分の娘と『死』について深く考えさせられました。

梅雨時は勿論、今度の土曜日はこの千葉さんが下界に降りてきているんじゃないかと勘繰りたくもなるのですが、それは私の考え過ぎでしょうか?

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