津山三十人殺し ~日本犯罪史上空前の惨劇~/筑波 昭
事件概要
『津山三十人殺し』…通称『津山事件』とは、
1938年(昭和13年)5月21日未明に岡山県苫田郡西加茂村大字行重(現・津山市加茂町行重)の貝尾・坂元両集落で発生した大量殺人事件。一般には津山事件と呼ばれ、犯人の姓名を取って都井睦雄事件ともいう。
犯行が行われた2時間足らずの間に28名が即死し、5名が重軽傷を負った(そのうち12時間後までに2名が死亡)。なお、犯行後に犯人が自殺したため、被疑者死亡で不起訴となった。
横溝正史が同じく大量殺人を扱った八つ墓村のモチーフとした事件とも言われる。
(wikipediaより引用)
『昭和が一番怖い』
『昭和が一番怖い』
この本を一気に読み終えた後、私はこう思いました。戦国時代や鎌倉時代、幕末など確かに人が人を殺し合う歴史的事象は昭和に限らずこれまで数多くありました。実際に私達は学校の授業でそう学んできました。しかし、それらの時代は、平成の今となっては年月が経ちすぎていて、あくまでも歴史の一部分といった印象が拭えず、どこか違う国の出来事のような感覚があるのではないでしょうか。
その点、『昭和』は違います。私に限って言えば、自分が生まれたのも昭和ですし、妻や両親や祖父母が生まれたのもまた昭和。特に、この『津山事件』が起きた昭和初期は、私の祖父母が生まれた時期にも重なっており、三時間に感じざるを得ないのが昭和とそれ以外の時代の差でありましょう。
閉鎖的・日本的な村社会が生んだ惨劇とはいえ…
冒頭においてwikipediaより引用しましたが、この事件の舞台は、岡山県にある山深き農村。加害者・都井睦雄も被害者達もその農村において暮らしている人間でありました。時代こそ違えど、私も福島県二本松市の寂れた農村で生まれ育ったので、この事件を身近に感じてしまっています。閉鎖的…とでも申しましょうか、狭い村社会でありますから人によっては息苦しく感じてしまうのかもしれません。加害者・都井睦雄の精神は、そんな環境によって育まれていったのです。
筆者は、場面場面で『死人に口なし』と称し、全面的に問いを非難する風潮に釘を刺しておりましたが、やはり私は加害者自身に問題があったように思えてなりません。ごく当たり前のことですが、人殺しをするなんて普通ではありませんからね。
『遺書で冷静に物事を語っていたから精神病ではない』と?それこそ決めつけ以外の何物でもありません。
コメント
[…] ーさんと本について貴重なご意見を頂きました。内容としては、先日投稿した記事(浅見家の本棚 #45)にて取り上げた、『津山三十人殺し』の作者・筑波昭氏についてです。そして、ま […]