1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 #7

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1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365/デイヴィッド・S・キダー 他

ここだけの話ですが、私は仙台市にある東北学院大学の卒業生です。



そこはキリスト教の大学でして、実家が仏教だろうと何であろうと入学には差し支えないのですが、とにもかくにもキャンパス内には礼拝堂があり、必修科目には『キリスト教学』なるものが存在していました(今はどうなのかわかりませんが)。

ホームページからシラバスを見てみたら、やはり『キリスト教学』は現在も顕在でした!

早稲田大学ならば『学問のすゝめ』なのでしょうが、東北学院大学では新入生全員に聖書が配られます。

聖書といえば世界で最も多くの人に読まれた本としても有名ですが、今回のテーマである『トーラー』はキリスト教やユダヤ教、イスラム教の基礎になった極めて重要な存在です。

【宗教】トーラー

『トーラー』とは、ヘブライ語の聖書の冒頭にある五つの書、いわゆるモーセ五書を指す名称だ。
キリスト教徒は、この五書に他のユダヤ教文書を加えたものを、旧約聖書と呼んでいる。
また『トーラー』という語は、口伝のほか数点の文書で伝えられている膨大なユダヤ教の律法全体を指すこともある。
『モーセ五書』とは、ユダヤ教律法の根拠となるもの。
それと同時に、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の基礎でもあり、具体的には以下の5つの書を指す。
学者
学者

モーセの『十戒』が登場する【出エジプト記】なら、大抵の人は聞いたことがあるだろう。



創世記(ベレーシス)

天地創造に始まり、イスラエルの人々やその先祖(アブラハム、イサク、ヤコブら)の家族の歩みを記したもの

出エジプト記(シェモース)

エジプトを脱出し、カナンへと向かう。
ここで登場するモーセの『十戒』は、あまりにも有名。

レビ記(ワッイクラー)

礼拝の際の、諸規則について述べている。

民数記(ベミィベル)

イスラエルの民が荒野を旅した苦難の記録が記されている。

申命記(デバーリーム)

晩年のモーセの言葉、教え、説教で構成されている。

商人
商人

ここまでが『トーラー』…つまり『モーセ五書』のおおまかな紹介です。
次からは、要約を載せますよー。

上記の『モーセ五書』には、
①シナイ山でモーセに授けられた
②冒頭以降も、啓示がモーセを通じて続いた
の二説が存在する。
紀元前10世紀~前6世紀の間に書かれたものだと考えられてきた、『トーラー』。
『文書仮説』によると、もともとは4つの原資料をベースに、5人の人間によって編集されたと言われている。
その『文書仮説』の主張の根拠は、以下の3つ。
①神の名前が複数存在している
②それぞれの文体が異なっている
③同じ話が繰り返し登場している
『トーラー』は口伝により長年伝えられてきたが、やがて文字の必要性が明らかとなる。
そこで口伝律法の集大成である『ミシュナー』が編纂されることとなる。
ラビと呼ばれる『律法学者』たちは、『トーラー』と『ミシュナー』を巡り、議論や討論を重ねた。
その結果、解説書に位置づけられる『タルムード』が書かれることとなった。
『トーラー』のテキストを使い、規範や習慣を導き出してきたユダヤ教。
ラビの研究者達は、文字通り一生をかけて一語一語の意味を追い求める。

最後まで大学ネタですが…休み時間には礼拝堂に足を運んで礼拝に一定回数以上参加することが求められていたような気がします。



そこでは神父さんが聖書の一説を読んで解説を行い、賛美歌を歌っていました。
当時は煩わしいことこの上なかった慣習でしたが、社会人となった今ではそういう時間も良い思い出です。

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