本当は怖い宇宙のはなし(スペース探査室)

浅見家の本棚

本当は怖い宇宙のはなし/スペース探査室

つい先日のこと。

『探査機・はやぶさ2が小惑星【リュウグウ】に世界で初めて人工的なクレーターを作ることに成功した』、というニュースが全国の宇宙ファンを賑わせました。
勿論、私・浅見ヨシヒロもその一人。



また…今月上旬には、『宇宙に存在する巨大なブラックホールとその影の存在が、初めて画像という形で証明された』というビッグニュースがもたらされたのも、記憶に新しいところです。

科学技術の進歩が目覚ましい昨今ですが、宇宙については、まだまだ多くの謎が残っています。
今回は、そんな宇宙に関する本を要約していきたいと思います。
本の名前は『本当は怖い宇宙のはなし』です。

1章 『宇宙空間』の想像を絶する過酷さとは

宇宙は極寒の世界で、その温度は絶対零度に近い-270℃。
ビッグバンの瞬間は1兆℃であったが少しずつ冷えていき、現在に至っている。
宇宙空間での年間被ばく量は数百シーベルト、防護服無しで即死する量である。
生身で外に放り出されたら、体液沸騰・凍傷・被ばく、様々なガスの影響による体の破裂など、悲惨な最後が待っている。
無重力空間は、人体に様々な影響を与える。
顔にむくみが生じて丸くなり(ムーンフェイス)、足は細くなり、お尻は上がるが、筋肉と骨の量は減少してしまう。
ブラックホールに飲み込まれたら、光の速さでも脱出は不可能。
しかし、恐ろしい存在ではあるがブラックホールによって地球に生命が生まれたという説も存在する。
『スペースデブリ』という存在も脅威。
無数の隕石や宇宙ゴミが宇宙船にぶつかり、壁に穴を開けたという事例も過去に発生している。
月の裏側は起伏だらけ。
その内部は空洞といわれており、実際にアポロ12号と13号により、人工地震を発生させることでその事実が証明された。



2章 地球は『宇宙からの脅威』にさらされ続けている!

『太陽フレア(表面で起こる爆発現象)』によって発生するX線やガンマ線(放射線)は、人工衛星などのインフラに影響を及ぼす可能性がある。
地震の原因である岩盤のズレは、潮の満ち引き…つまり、月の引力と地球の公転による遠心力が引き金となっている。
地球には、毎日100トンもの岩石や塵などが落下してきている。
人類は常に、隕石落下の脅威に曝されており、150m以下の物は事前に発見することが不可能。
生物の大量絶滅は2620万年周期で起きている説がある。
太陽の双子星【ネメシス】が一定周期で氷や岩石を発生させ、それが巨大隕石になっているといわれている。

3章 まさに死と隣り合わせの『宇宙飛行士』の生活とは

眩暈や吐き気を前触れなく発症する宇宙酔い。
そのため、宇宙飛行士は宇宙に出てから3日以上経たないと船外活動を行うことができない。
宇宙飛行士の『三大カタストロフィ』
①空気汚染・②火災・③急減圧
宇宙では、十分な水を確保するために尿を再利用している。
ろ過したうえで飲料水にしているので、下手な水道水よりもむしろ綺麗。
大気圏突入時の摩擦熱は、最高1600℃。
地上との交信も断絶される(ブラックアウト)。
大気圏には適正な角度で突入しなければならない。

4章 宇宙の恐るべき現象が浮かび上がる『新説・仮説』の数々

地球を1つの生命体とした『ガイア新説』。
近年の異常気象は、地球が人類に対して怒りの声を上げていると結論付けられている。
太陽の活動は、極小期に差し掛かろうとしている。
その根拠は黒点の数の伸び悩み。
地球が寒冷化に及ぶ前兆とも?
かつて地球が凍っていたとする『スノーボールアース仮説』。
赤道直下の大地が氷に覆われていたことや、海水が大気と接触していなかったという証拠も次々と見つかっている。
セーガンによって発表された『動物園仮説』。
地球外生命体が人類の未熟な文明に呆れ果て、太陽系周辺を立入禁止区域に指定している…というもの。
膨張を続ける宇宙の、今後のシナリオ
①『開いた宇宙』…今後も膨張し続ける
②『ビッグクランチ』…膨張が止まり、その後は収縮してやがて潰れる
③『ビッグリップ』…膨張が更に加速し、最後には引き裂かれる【最有力】



5章 SFに描かれた脅威の『宇宙世界』を検証する

人類は将来、月の資源を巡って争い合うかもしれない。
月に眠るヘリウム3やアルミニウム、カルシウム、10億トンとも言われる水は、有望な資源である。
人工冬眠は、技術的にまだまだ困難。
もし出来たとしても、筋肉や骨の衰え・床ずれ・精神的悪影響といったリスクが待っている。
タイムトラベルも、まだまだ非現実的。
ワームホール内での巨大重力の克服や、タイムパラドックスの問題があるからで、安定性が確保できない。
ほぼ光速で移動すると時間はゆっくり進み、その速度は光に近ければ近いほど緩やかになる。
宇宙旅行から帰ると、タイムスリップに似た現象『ウラシマ効果』が起きる。
かつて人口増加問題解決の切り札とされていたコロニー計画。
だが、その実現には空気圧によるコロニー壁の膨張や、太陽光を取込むガラス窓の厚さ、地球からの水・空気の運搬など課題が山積。
パラレルワールド(並行宇宙)は、近年の研究で説明され始めている。
ビッグバンにより無数の宇宙が生まれるという、『ビッグバン理論』がその根底にある。

6章 知れば知るほど不気味…夜空に輝く『天体』の秘密

人類移住先の候補となっている火星だが、住みやすいとは言えない。
気圧も気温も低く、水も無い。
火星住環境改造計画『テラフォーミング』の実現は、まだまだ先の話。
金星(ヴィーナス)の実態は恐ろしい。
表面温度475℃、硫酸の雲で覆われている。
大気のほとんどは二酸化炭素で、人間は呼吸すらできない。
木星はガスが主成分で、気温は-120℃。
木星の最も怖い点は、表面に見える大赤斑(だいせきはん)。
その正体は、持続100㎞を超える巨大台風。
土星のリングは7つ存在、それらが同心円状に広がっている。
その主成分は氷に覆われた、無数の小さな岩石。
リングがどのようにしてできたのか、現在もハッキリとは分かっていない。
中性子星『マグネター』は、近づいてはいけない天体。
人間が『マグネター』の1000㎞以内に近づくと、強力な磁力によって人体は引き裂かれてしまう。

7章 人類の存続にかかわる驚愕の『宇宙の未来』とは



水素の量から逆算すると、太陽の寿命は残り50億年。
水素を失った太陽は現在の100倍近くにまで膨張し、地球は金星のように灼熱地獄となってしまう。
地球の自転速度は年0.000015秒ずつ遅くなっており、1億8000万年後には1日が25時間になる。
もし急に自店が止まったら、地上の人間や建物は吹っ飛んでしまう。
巨大な津波も発生するだろう。
オリオン座の一番星【ベテルギウス】は間もなく寿命が終わり、超新星爆発を起こす可能性がある。
その場合、地球にガンマ線などが降り注ぐかもしれない。
地球のある天の川銀河と、他の銀河は衝突する可能性がある。
時期は約40億年後。
各銀河のブラックホール同士が合体し、全てを飲み込んでしまうかもしれない。
地球環境が安定しているのは、月が存在しているから。
自転軸が丁度良い傾きになっているのも安定した気象なのも、唯一の衛星・月があってこそ。

以上、『本当は怖い宇宙のはなし』という本を振り返って参りました。
タイトルに”怖い”というキーワードが入っていますが、宇宙は本当にスケールが大きすぎて怖いどころか好奇心が更に増してしまいました。

そういえば…このブログの別コーナー(レトロゲーム)では、かつて月に由来のあるキャラクターを取り扱ったことがあるので紹介します。
月の一族の血を引く、パラディン・セシルさんです。

セシル②
セシル②

やぁ、久しぶり。
少しは月について、理解して頂けたかと思います。



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