読書する人だけがたどり着ける場所/齋藤 孝
またしても購入してしまいました。
テレビ番組でもお馴染みの齋藤孝先生が唱える読書の重要性については、これまで読んだ
『読書のチカラ』
『大人のための読書の全技術』
といった本で学んできた通りですが、普段本を読んでいると、ふと読書に対する意味を見失ってしまう時があります。
前述の2冊でも十分に読書に対する意欲を再び燃やすことは出来たのですが、本書には齋藤先生のおススメする名著がズラリと掲載されているので、誘惑に負けてしまい、現在に至っております。
齋藤孝先生の考える、思考力・知識・人格・人生を深める本の読み方についての要約を、どーぞ!!
第1章 読書をする人だけがたどり着ける『深さ』とは
人間性の『浅い』・『深い』は、教養から来る。
知識は使いこなせなければ、意味が無い。
教養が、人格や人生にまで生きている人が『深い人』。
人の感情を理解する『認識力』が、より深いコミュニケーションに繋がる。
文学を読むことで、認識力を身に付けることができる。
知識を深めるために必要な『潜る力』は、読書によって養われる。
インターネットやSNSでは、決して深く潜ることはできない。
知性は万人に開かれている。
誰でも知識を増やし、思考力を深めていく上で知的になれる。
『浅い』・『深い』は、教養の有無。
知識を深める能力は、インターネットでもSNSでもテレビでもなく、読書によって養うことができる。
第2章 深くなる読書 浅くなる読書 何をどう読むか
深く物事をとらえる力に『認識力』があるが、読書をすることで著者の認識力も身に着けることが出来る。
読書は、『情報としての読書』と『人格としての読書』に分けられる。
しかし、著者の人格があって科学的発見や歴史の捉え方が我々に伝えられている。
どんな情報にもそこに人格が存在するので、分かれているようで一体の関係。
人の脳は、読書を通して『映像化する力』も身に付ける。
そのため、子供に対する読み聞かせは効果的。
読書は、自分と異なる視点を手に入れるのにも役に立つ。
つまり、視点が重層的かつ多角的になる。
とはいえ、『読書』と言っても特定の著者の作品ばかり読んでいては間口が狭くなってしまう。
文豪と呼ばれる著者の作品に目を通し、その背景にある精神文化を我々は身に付けるべき。
読書によって、人の脳は活性化する。
時には難解な本にも出会うかもしれないが、国内外を問わず文豪と呼ばれた著者の作品に触れることで映像化する力や認識力、その背景にある精神文化を養いたい。
第3章 思考力を深める本の読み方
情報として読むだけでは思考力は深まらない。
感情を乗せて読むことが重要。
読みながらメモをすること。
その作業が、思考の深堀を続ける助けとなる。
思考を深めるには、対話も効果的。
本を読んだら、誰かにまず話してみること。
この他にも、思考が深まる読み方として『好きな文章を選ぶ』『ツッコミ読み』『予測読み』を挙げられている。
大事なのは、自分に合った読み方を考え、ただ漫然と読み進めないこと。
第4章 知識を深める本の読み方
理系の本には、素晴らしい作品が増えている。
宇宙、生命、物理など自然科学の知識を手に入れると、世界が広がる。
1テーマにつき5冊の本を読めば、かなりの知識を得られる。
全て理解しようとせず、気軽に読み進める。
それを繰り返す。
文脈に注意して知識を使うと、『知識のある人』として評価を受ける。
これが『浅い人』だと、一つ一つの知識が繋がらないケースが多い。
新しい本との出会いは知識を広げる。
自分の守備範囲外の本を読むいい機会なので、好き嫌いせずにベストセラー本に手を出すのも悪いことではない。
国内外を問わず古典的名著が一通りそろう文庫レーベルは、
・岩波文庫
・講談社学術文庫
・光文社古典新訳文庫
・ちくま学芸文庫
知識を深める本の読み方は、一言で言えば『新規開拓』。
これまで読む機会の無かったジャンルの本には、未知の大海が広がっている。
第5章 人格を深める本の読み方
人格とは、知識・思考・感情・性格など統合した個人のあり方。
人間性である。
名著の作者達は、いずれも人格者揃い。
孔子、福沢諭吉、中原中也、種田山頭火等々…偉大な人の器に触れることで、人格を深めることができる。
※『論語』は、孔子自身ではなく彼の弟子たちが編纂したもの。
言葉には力がある。
本を読むことで、目の前の幸不幸に一喜一憂することない力強さが手に入る。
正に、優れた人格の形成へと繋がる。
第6章 人生を深める本の読み方
人生は、勝ち負けよりも生き方。
『人生の意味より、人生そのものを愛せ』(カラマーゾフの兄弟)
自分と他人を比べて自己評価を下げ、幸福度を感じられない人が最近は多い。
文学に触れることで、幸福そのものに対する認識が大きく変わる。
現代社会で、自分だけが幸せだと感じることは本当に難しい。
単純な勝ち負けだけで判断するのではなく、人生そのものの豊かさを感じたい。
第7章 難しい本の読み方
できるだけ一流のものに触れたいのであれば、時代を超えて多くの人々に愛されてきた古典を選べば間違いはない。
本を読むのに、才能はいらない。
最初は難しいかもしれないが、一度習慣がつけばどんどん楽に読めるようになる。
それが、思考・知識・人格を深めることに繋がる。
むしろ、最初に難しい本を読んでしまおう。
難しいかもしれないが、自分で調べたりしながら読み切ることで自信が付く。
自信が付くことで、次も読める。
一人の作家に入れ込んでいると、視点が偏りがちになってしまい、思考も深まらない。
その点に注意することでバランスの取れた視点が身に付き、『批判的に読む』ことができるようになる。
最初に難しい本を読めば、最初は苦しいかもしれないが得るものは大きい。
才能はいらない。
様々なジャンルの本をバランス良く読んでいくことで、読書をする人だけが辿り着ける深みを目指せる。
この本でも触れられていた、『本を読んだら、誰かにその内容を語ってみよう』という項目。
実は、私はそれを目的に本の感想や要約をこのブログに書き綴っています。
そのお陰で、ただ読んでいた時と比べて内容を忘れにくくなっているような気がします。
この熱が冷めないうちに、一冊でも多くの本を読まなければ…!!
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