THE SCRAP 懐かしの一九八〇年代 浅見家の本棚 #6

浅見家の本棚

『THE SCRAP 懐かしの一九八〇年代』 /村上 春樹

出会いは突然に(古本イベントで)

村上春樹。
日本を代表する作家の一人として、近年はこの方の名前が挙げられることが多いでしょう。

ノーベル文学賞候補へのノミネートは最早当然。
多くの方と同様に『いつか受賞できるはず』と首を長くして待っていたりします。



その村上春樹の作品についてですが、実は恥ずかしながら私はこれまで一度も読む機会がありませんでした。
本好きの方ならご存知でしょう?
本を買う・読むには、タイミングがあります。

それは、人と人との出会い…つまり『一期一会』に似たようなもので、一言で言ってしまえば『縁』とか『運命』の類です。

そんな私が村上作品と初めてリンクしたのがこの本、『THE SCRAP 懐かしの一九八〇年代』です。
ちなみに分類としては小説ではなく、エッセイ。

この本は、当ブログ・浅見家の本棚 #3にて取り上げた『越境フットボーラー』と共に、2016年秋に立ち寄った福島市の古本屋のイベント(名前は失念…)にて入手致しました。
値段は100円(しかも税込みで!)だったと記憶しています。(『越境フットボーラー』も同様に)。

また、この古本イベントには、宮城県仙台市にてお店を構えている本屋『火星の星』さんも出店していました。以前から気になってはいたのですが、なかなかタイミングが合わずに行けなかったので、特設とはいえお店に行くことが出来て感無量でした。

実際、仙台のお店には先月ようやく訪問することができましたがそのお話はまた後日…

インターネットには無い、本との偶然の出会い

近年、『本を買う手段』としてインターネットが主流となりつつあります。
全国的には書店の床面積は増加していると言われておりますが、これは数字のマジック。

大型書店が都市の郊外等に続々と出店している一方で、いわゆる『町の本屋さん』は廃業が相次いています。
これには後継者難という背景もあるのでしょうが、『本をネットで買う』人が増えてきているのが最も影響していることと思います。



先日、堀江貴文さんのツイッター経由で『書店経営者がネット書店に新たな税金を科すべきと述べた』という記事を目にしました。
ネット書店への新たな課税は賛否両論ありますが、こういった発言が書店経営者から出る位に業界はもう淘汰され始めているということが分かります。

因みに、個人的にはこのような足の引っ張り合いには反対の立場です。書店経営者には、実店舗の強みを活かした特色ある『町の本屋さん』を生み出してほしいと願っています。

話を本筋に戻します。本をインターネットではなく、実店舗で買うということはこういった出会いの可能性もある…ということを言いたかったのです。
しかも、古本屋で買ってしまえば非常に安価であり、ある程度の期間楽しめるわけですから、私のような貧乏人にとって読書はうってつけの趣味ということになります。

街のために奮闘する人々の姿に、クスリと笑う

そろそろ本の紹介をしなければなりません。
私は、こういった一昔前の…当時の文化やら空気を味わえる(しかもアメリカの)本が好きで、事あるごとに買い求めています。



個人的には『最悪の町』というタイトルがおススメです。
アメリカの『大都市圏で住みやすい都市ランキング』にて最下位となった、某都市について書かれた内容となっており、現地で奮闘する市長や住民の小話がクスッと笑えるのです。

『住めば都』という言葉があるように、人間は本当に順応性が高い生き物です。結局は、自分が住んでいる・住んだ場所が一番住みやすくなるのです。
ですから『大都市圏で住みやすい都市ランキング』で最下位になった某都市の人達は納得がいかず、色々と奮闘してしまうわけです。面白いです。
『我々の住むこの町こそが一番なのだ!』的な。

これが一つの契機となるのでしょうか。『村上春樹』の世界に浸れる時が、すぐ近くまで来ているのかもしれません。

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