1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365/デイヴィッド・S・キダー 他
先日、ローマ教皇が来日をしたことで大きな話題を集めました。
教皇は常々死刑には反対のスタンスを取ってきており、世界各国に向けて制度の廃止を訴え続けてきたことは有名な話ですね。
3勇者
こんな横暴な王様もいたなぁ。
結局は、モンスターが化けていただけなんだけど…。
さて…その『死刑』について。
『死刑』と聞くと、私は真っ先に歴史の授業で習った『ハンムラビ法典』を思い出してしまいます。
『目には目を、歯には歯を』に代表されるように残酷なイメージの強いハンムラビ法典ですが(実際厳しいんですけど)、復讐法は決して仕返しや報復を認めているわけではありません。
言い方がややこしいだけで、実際には…
『目をやられたら、目まで』・『歯をやられたら、歯まで』と、過剰な報復を禁止するものだったようです。
学者
『目には目を、歯には歯を』だけが、独り歩きしちゃった感はあるよね…。
【歴史】ハンムラビ法典
ハンムラビは、現在のイラクにあった古代文明バビロニアの王である。
紀元前1792年から前1750年まで君臨し、対立する諸民族を征服したが、彼が何より有名なのは、史上はじめて法律を制定した人物だからだ。
治世の終わり近くにハンムラビは、現存する市場最古級の成文法を発布し、国民が守るべき規則と、法を破った者が受ける罰を明確にした。
ハンムラビの時代、ほとんどの社会は独裁的な支配者が好き勝手に支配していたため、法律がすべての人に適用される発想自体が、前代未聞の新機軸だった。
復讐法への誤解を差し引いたとしても、現代の感覚からすればハンムラビ法典の内容はやはり残酷。
些細な法律違反でさえも、死刑と定められていた。
『居酒屋に入った女性』、『逃亡した奴隷を匿った者』、『正当な理由も無く、夫の元を去った女性』など、現在では考えられないものばかり。
バビロニア人同士の裁判では当事者を川に飛び込ませ、その結果で判決。
有罪なら溺死、生き延びたたなら無実、原告が虚偽の告発をしていた場合、その者も死刑とされていた。
法典の内容(『法律の遵守』『国法の不変』)は神殿の黒い石柱に刻まれ、広く国民に周知された。
また、刻まれた文字は後の楔形文字のベースとなった。
更に碑文には…
①将来の王達は法の支配を守らなければならない
②法律を、為政者が勝手に変えてはならない
という、当時としては極めて革命的な中身が書かれていた。
3勇者
もし今も『ハンムラビ法典』があったら、現代人のほとんどが死刑にされちゃうよ…。
4勇者
居酒屋に入った女性にまで死刑にしてたら、今話題のフェミニスト論争が加速することは間違いない…
関連