1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365/デイヴィッド・S・キダー 他
太陽系に、冥王星という天体があります。
元々は、私達の暮らす地球と同様に『惑星』という位置付けを受けていたのですが、ある条件を満たしていないことを理由に2006年に『準惑星』へと分類が変更されてしまった、ちょっぴり可哀相な天体です。
本書でも触れられていますが、そもそも『惑星』の定義は明確になってはいないようです。
しかし、冥王星は…
『軌道上において、他の天体を圧倒する質量を有していない』ことを理由に、上記のとおり『準惑星』へと分類を変更されてしまったのです。
俗っぽい言い方をしてしまえば、『格下げ』と言っても過言ではないでしょう。
これには異論を唱える科学者も一定数以上いるようですが、冥王星が晴れて『惑星』に復帰できるかは、未だ定かではありません。
【科学】太陽系
誰もがかつて小学校で、太陽系は太陽と九つの惑星と、それぞれの惑星を回る衛星とで構成されると教わっただろう。
だが、話はそれほど簡単ではない。
(24ページより引用)
『惑星』についての科学的且つ明確な定義は、実は存在していない。
そのため、太陽系にどのくらいの惑星があるのかは誰にも分からない。
その上でハッキリしている惑星は、以下の8つ。
・『地球型惑星』:水星、金星、地球、火星
・『巨大ガス惑星』:木星、土星、天王星、海王星
冥王星は、2006年に『準惑星』へと分類変更となってしまった。
そんな冥王星の特徴は、
①大きさは月の約2/3、公転周期は248年。
②歪んだ楕円軌道を描きながら移動を続けている。
③氷で出来ており温度も低く、他の惑星からも離れている。
以上…他の惑星とは異なる特徴から、科学者の多くは冥王星をカイパーベルトという領域に属する彗星の一種であると捉えている。
カイパーベルトとは、太陽系の外縁部において氷の小天体が数多く集積している領域のこと。
カイパーベルトにおいて、通称『ジーナ』と呼ばれる小天体が発見された。
太陽からの距離は冥王星の3倍、公転周期は560年というスペックであり、2006年に『エリス』と名付けられた。
冥王星のライバルかもしれない。
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