1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 #17

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1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365/デイヴィッド・S・キダー 他

世界遺産の一つである『パルテノン神殿』の美しい佇まいを見ていると、私の年代は大ヒットマンガ『聖闘士星矢』を思い出してしまうのではないでしょうか。



私の場合は小学生時代にアニメを見て『聖闘士星矢』を知り、原作はその後に読んだ口であるが、おぼろげながらそのストーリーや雰囲気を今でも覚えています。

例えば…主人公の星矢はストーリー冒頭において、ペガサスの聖衣を巡ってカシオスという人物と戦いました。
激闘の傍らには、ギリシアを象徴するような神殿の風景が確かあったはずです。

また、いわゆる【黄金聖闘士編】で星矢達が乗り込んだ『十二宮』もまた、我々がイメージするギリシアの神殿の形をなしていました。

…いつの間にか話の内容が、『パルテノン神殿』から『聖闘士星矢』へとすり替わっていました…。

【視覚芸術】パルテノン神殿

パルテノン神殿は、有名な政治家ペリクレスの命により、ペルシア軍に対するギリシア軍の勝利を記念するため紀元前447年から前432年に建設された。
アテネのアクロポリスにあった旧神殿跡に建てられ、アテネの守護神アテナ・パルテノスが祭られていた。
現存するギリシア神殿のうち、保存状態が最もよいもののひとつだ。
(23ページより引用)



パルテノン神殿は、イクティノスとカリクラテスという2人の建築家により建設された。
併せて内部の高さ約10メートルの神像は、外側の彫刻を担当したフェイディアスの手に寄って製作された。
古代ギリシアの神殿の多くは周囲に円柱が数多く設けられており、その形は長方形。
四方から中に入ることが可能で、3つの様式のいずれかによって建てられている。
学者
学者

古代ギリシアの神殿の様式には、ドーリア式、イオニア式、コリント式の3つがあるぞ!

パルテノン神殿の特殊な点は、以下のとおり。
①ドーリア式、イオニア式の両方を採用
②『視覚補正』により、故意に形を歪めて建物を美しく見せている



『視覚補正』とは?
①神殿の基礎部分と屋根の線が、端に向かって反り返っている。
②円柱は、下の方が太くなっている。
元々は、木製の天井とタイル張りの屋根を有していた。
柱列の上部には、ギリシアを象徴する神話の戦闘の場面が描かれたレリーフが存在(メトープ)。
アテネが没落した後も礼拝の際に使用されていたパルテノン神殿だが、1458年以降のオスマン帝国の侵攻により、モスク(ひざまづく場所という意味)へと変えられた。
また、1687年にはヴェネツィア共和国の砲撃により大破。
1801年、オスマン帝国に駐在していた英大使・エルギン伯トマス・ブルースにより、パルテノン神殿の彫刻の数々はイギリスへと送られ、売却されてしまった



イギリスへと送られた彫刻群は、現在は大英博物館に保管されている。
ギリシア政府はその返還を求めているものの、その実現には至っていない。
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