読書の技法(佐藤 優)

浅見家の本棚

読書の技法/佐藤 優

クリフト
クリフト

…あぁ、神官の仕事が忙しくて本を読む時間が全く確保できません…。

何か良い方法はないものでしょうか?

ブライ
ブライ

お主、そんなことで悩んでおったのか?

なんでも…日本という国には『佐藤 優』という、本を沢山読んでいる人物がいるらしいぞい。

クリフト
クリフト

…なんと!!

その方の読書法を勉強すれば、私も今より数多くの本を読めるかもしれませんね。

早速、浅見殿に紹介してもらいましょう!

そんなクリフトさんのお悩み解決の一助となるよう、本日は佐藤 優氏の『読書の技法』という本を紹介させて頂きます。




かつて『外務省のラスプーチン』とまで呼ばれた、本書の著者・佐藤 優氏。
かつて、外務省国際情報局分析第一課主任分析官や大臣官房総務課課長補佐を歴任した佐藤氏の知識は、私達一般人には到底たどり着けない水域で、その源泉は日頃からの膨大な読書量。

表紙にもその表記されている通り、一カ月の間に読む本の量は多い時で500冊。
平均でも300冊という驚くべき数字。
勿論…いくら佐藤氏であっても、これら全てを熟読しているわけではないのですが、その読書の技法に近付きたい一心で本書を手に取りました。

第1章 多読の技法

一カ月平均で300冊もの本を読む佐藤氏だが、熟読している本は4~5冊。
それ以外は、速読・超速読で処理している。
重要なのは基礎知識。
基礎知識は熟読によってしか身に付けることができず、時間も有限。
熟読する本を絞り込み、時間を確保するための速読が必要である。




第2章 熟読の技法

熟読で大事なことは3回読むということ。
佐藤氏は以下の手法によって熟読作業を進め、基礎知識を確実に身に着けている。

①まずは、本の真ん中部分を読む【第一読】
真ん中は、本の一番弱い部分で、その本の水準が分かる。
②シャーペン、消しゴム、ノートを用意【第一読】
後から消せるように、シャーペンと消しゴムを用意。
③シャーペンで印を付けながら読む【第一読】
自分で重要だと思った個所に、線や印を付けながら読んでいく。
後から見て不要だったら、消せばいい。
④本に囲みを作る【第二読】
最初に線を引いた部分で、特に重要だと思う部分を線で囲む。
ただし、囲む部分はどんなに多くてもテキスト量の10%まで。
⑤囲みの部分をノートに写す【第二読】
囲んだ箇所の中で、定義や数字、固有名詞に言及されている部分等を中心に書き写す。
⑥結論部分を3回読み、もう一度通読【第三読】
目次の構成も踏まえて、再度に通読。

第3章 速読の技法

佐藤氏が熟読している月4~5冊以外は、ほぼ全てが速読で読まれています。
速読の目的はただ一つ、その本が熟読すべきかどうかを見分けることです。
本章では、その速読についての解説がなされています。

速読には、2種類がある。
普通の速読と超速読である。
超速読には、5分の時間的制約を設ける。
シャーペンで線や印を付けながら太字を中心に目で追い、最後に結論部を読む。
ここですべきは、読むべき箇所の当たりをつけること。
普通の速読で重要なことは、完璧主義を捨てること。
また、速読の際には定規を当てながら読み進めると、読書スピードが飛躍的に上がる。

第4章 読書ノートの作り方




本書には、実際に佐藤氏が作っている読書ノートのページが写真として載っています。
お世辞にも読みやすい字ではありませんが、自分のためのノートです。
完璧主義という考え方を捨て、記憶への定着を第一に考えることの重要性が説かれています。

ノートを作る時間はもったいなくない。
先述の通り、線で囲んだ部分をノートに書くことで、記憶への定着がまったく変わってくる。
ただし…大切なのは、正確な形でデータを引き出せること。
そして、積み重ねた知識を自身に定着させること。
完璧なノートを作ることが目的であってはいけない。

第5章 教科書と学習参考書を使いこなす

『本を読む』と言っても、様々な種類の本があるのは皆さんもご存知のことと思います。
知識を高める有効な手段の一つとして、佐藤氏は教科書と学習参考書の活用を挙げています。

また、本書では佐藤氏が勉強する内容を科目毎に分け、どのようなことを主観に置いて読書をしたらいいのかについて説明していますが、今回のブログでは省略させて頂きます。

知識の欠損部分を把握することが、肝要である。
特に重要なのが、高校レベルの基礎知識。
基礎知識を補うためには、教科書と学習参考書を活用すると良い。
教科書は、教師がいる環境を想定して作られているため、説明が不足気味。
対して学習参考書は、教科書よりも内容が優れている。
両者を使い合わせることで、基礎知識の習得が図られる。

第6章 小説や漫画の読み方

漫画は『動機付け』には使えるが、知識を身に付けるものではない。
あくまでも概説書や専門書で知識を身に付けなければならない。
小説や漫画は、社会や人間関係の縮図として読むことができる有用な本である。
それらを否定し一切手を付けないというのは、漫画で勉強しようとするのと同じくらいに間違っている。
小説には『代理経験』という側面もある。
自分だけでは経験することのできない人間の心理を知ることで、人生は確実に豊かになる。




第7章 時間を圧縮する方法

よく言われていることですが、時間は有限です。
恐らく、一生の内に自分が読める本の数など高が知れていることでしょう。
時間を有効に活用するためには、ちょっとした心がけ一つで実行できるようです。

10分~15分の細切れ時間をうまく活用できるかが、鍵になる。
ただし、そんな細切れ時間に読むにあたって、向く本と向かない本があるので注意。

場所を変えることで、効率が変わることもある。
図書館、喫茶店、電車の中…相性は人それぞれ。
有料の場所だと、払った料金を取り返そうと頑張るので、いいかもしれない。

今回は、佐藤 優氏の『読書の技法』を要約してみました。
勿論、この本に書かれていることは佐藤氏が自身の生活パターンを考えて構築してきたものです。
所々、自分に合うようにカスタマイズしていくことが望ましいでしょう。

これでクリフトさんの抱えている悩みも、少しは解決できたかもしれません。

クリフト
クリフト

ありがとうございます!

自分なりに、今回の読書の技法を有効に活用していきたいと思います!

アリーナ
アリーナ

『進化の秘宝』じゃなくて、『読書の技法』よ!!




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