浅見家の本棚

文系のための理系読書術 浅見家の本棚 #89

文系のための理系読書術/齋藤 孝

『浅見家の本棚』にてこの本を取り上げることは大いに意義があることです。
といいますのも、このブログにある幾つかのカテゴリーの中の一つに『本日の購入本』というものがあります。

これは、
①あまりに少ないこのブログのコンテンツを少しでも増やしたい
②次から次へと本を購入してしまうことを逆手に取って記事のネタにしてしまおう
という二つの理由から後出しジャンケン的に作ったカテゴリーです。

で、その『本日の購入本』というカテゴリーの記念すべき第一回目で取り上げたのが、今回の『文系のための理系読書術』でした。
私としては結構これは感慨深いことで、上手く言葉に表すことが出来ないんですけどブログの中での一つのサイクルみたいなものを確立できたような気がしているのです。
『文系のための理系読書術 本日の購入本 #』

『理系だから』とか『文系だから』なんて、勿体ない

番組名は忘れてしまったのですが、先日テレビを見ておりましたら学問を『理系』と『文系』の二つに分けているのは世界中で日本くらいしかない…という内容の解説がなされていました。

事は明治時代にまで遡るのですが、その理由としては一説には新政府にお金が無かったからだと言われているようです。
今にも共通する話ですが、やはり『理系』と『文系』とでは、前者の方にお金がかかるようで、国庫に余裕の無い新政府はどうしても『理系』の分野を学ぶ学生の数を絞り切らなければならなかった…ということで『理系』と『文系』という二つに大別されたということらしいのです。

高校や大学で選択する教科はそのような体系に従うとしても、本を読んで軽くつまむ程度であれば『自分は文系だから理系の分野はちょっと…』なんていう消極的姿勢は本当に勿体ない話ですよ、というのが著者である齋藤先生の基本的な主張です。

理系本から学べること

本書の『まえがき』で、齋藤先生は理系本から学べる二つのこと…ということで以下の二点を挙げています。
①チャレンジ精神
②潔い態度

①に関しては研究や実験とうから簡単にイメージが出来そうですが、個人的に面白いなと感じたのは②の潔い態度です。

齋藤先生によると、この『潔い態度』を

否定されたら潔く自分の非を認めて次のチャレンジへと向かって行く、という潔さが科学的態度です。
(本文より引用)

と定義しています。

『文系は潔くないのか?』というご意見が飛んできそうですが、それには私がお応えしましょう

はい、文系は潔くありません!!
なぜなら私こそが根っからの文系人間であり、自分でも嫌になる位に潔くない性根の持ち主だからです!!

本書の特色は理系本の紹介にある

齋藤先生は本当に本当に多読家で、理系・文系問わず、沢山の本を読んでいます。
本書の特色の一つとして、作中で様々な理系本を紹介してくれていまして、それぞれ概要についても付してくれています。
更にありがたいことに、終盤183ページからは、その作中で紹介した理系本のリストまで準備してくれていますので、『あれ、あそこで紹介された本、どこに載ってたっけ?』と慌てて探す手間が省けます。

かゆい所に手が届く、齋藤先生と集英社文庫さんの気遣いに感謝感謝です。

最後に…

文系の人間(私も含む)からすると、どうにも理系の分野は難しいイメージが付きまといます。
でもそれは苦手意識があるだけで、齋藤先生が推奨している『広く浅い理系本』から入っていけば、実はそんなに難しい分野でもないようです。

私達の生きている現代社会は、理系分野の存在があって成り立っています。
これを機に、齋藤先生の言うところの『読書の新大陸』を開拓していきたいと私は感じました。

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