鼻/外套/査察官/ゴーゴリ
現代文学の象徴『言文一致』とは?
『言文一致』という言葉を皆さんはご存知でしょうか?
私も最近までは全く知らず、偉そうなことは何も言えないのですが、我々が普段の生活において使っている言葉によって構成されている文章…とのことです。
つまり、私が今このブログで書いているような文章を指しますね。
我が国においては、明治時代に前述の『言文一致』に向けた運動が盛んとなり、より多くの人が文学や文章を身近に感じやすくなった…と私なんかは個人的に解釈しているわけでございますが、今回紹介する『鼻/外套/査察官』(光文社古典新薬文庫)は、口語体の極みとでも言うべき落語調で翻訳がなされており、幅広い年代の方が読み進めやすい形になっています。
『鼻/外套/査察官』は、ちょっとしたコメディ劇
さてさて、原作である『鼻/外套/査察官』自体は、全てロシアの作家・ゴーゴリの作品です。
海外の…とりわけロシアの古典物と聞くと、例えばドストエフスキーの代表作『罪と罰』のように、どこか重苦しい印象を抱いてしまいがちですが、このゴーゴリの作品については全体的に明るくユーモアのある内容になっています。
それに加えて、翻訳が落語調ってぇわけですから、面白くないわけがありませんよ、ねぇ旦那!!
(自分なりの精一杯の落語調)
ってなもんですから、『鼻』ってなやつも『外套』てなやつも…はたまた『査察官』も、どれも読み終わった人間がついついニヤニヤしちまいそうな小話ばかりなんでさぁ。改めて日本人手やつぁ、落語が好きなんだなぁと私なんかは実感したんでありますよ、はい。こいつはもう遺伝子ってやつですな。
(まだ、下手な落語調やってる…)
ロシアの登場人物の名前を覚えられるかがカギ…
聞き苦しい、見苦しい書評を書いてしまいました。たまには遊び心も見せたいとの一心からでしたが、そろそろ恥ずかしくなってきたので通常モードに戻りたいと思います。さぁ、気を取り直しまして…
本作に載っている三作の中で、私が個人的に一番気に入ってるのは『査察官』であります。
登場人物のそれぞれがお互いに勘違いし、それがまた更なる勘違いを生んでいくその様子は、例えが適切かどうかは自身がありませんが、アンジャッシュのコントのようでありました。
ただ一点…、ロシアの登場人物の名前はちょっと覚えにくいのですがね…。メモとかしながら読んでいくしかないのでしょうか…。