慟哭の谷~北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件~/木村 盛武
実際にあったヒグマ襲撃事件の記録
何度もこのブログにて申し上げているのですが、私は生粋の『天の邪鬼』野郎です。年中絶えず誰かにケチを付けずにはいられない困った質の輩です。そんな天の邪鬼の私ですから、本日は一言言わせて頂きます。
『我々人間は、そんなに偉い生き物なんですかね?』と。
本書『慟哭の谷』は、今から約100年前に北海道で実際に起きたヒグマによる『三毛別事件』が克明に記録されたものです。当時の生存者や関係者などからの証言を基に作られており、読んでいて生々しい表現が読者を容赦なく襲います。
人間はヒグマを非難できない
しかし、ここで生粋の天の邪鬼は思ったのであります。
被害に遭われた方々は確かに気の毒だと思うのですが、ヒグマはただ本能…とでも申しましょうか、生きるために食害に及んだわけです。人間に限らず、生き物は食べ物を食べないと生きてはいけません。ヒグマが人間を襲って、その肉を喰らったこと。それは、例えば我々人間が牛肉や豚肉、鶏肉、魚介類を『飽食』とまで揶揄されながら食べ続けることと、本質的には何ら変わりがないのではないでしょうか。ヒグマの『食害』という行為を非難するのであれば、我々人間は己の襟を正すという意味でも肉や魚を食べれず、今よりずっと質素な食生活を送らねばなりません。
ヒグマとの共生はできない
敢えて誤解を恐れずに言いましょう。本書に度々出てくる『食害』というキーワードは、我々人間の驕りではないかと思うのです(私も先程使ってしまっていますが)。勿論、私もヒグマとの遭遇はご免被りたいひ弱な人間です。そんな弱い弱い人間に出来ることといえば、彼らのテリトリーにはせめて近づかないことです。
人間とヒグマは住む世界がそもそも違う生き物。共生などという綺麗事は通じません。
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