イニシエーション・ラブ/乾 くるみ
裏表紙に括目せよ
”最後から2行目で、本書は全く違った物語に変貌する。”
本書の裏表紙にはこのように書かれておりました。私はこの一文を信じ、『最後だけチラッと読んでみようかな』といった欲望にも負けず、それはもう素直に読み進めていきました。
結果…『あぁ、まぁそういうことね。』といったところ。ネタバレになってしまうといけないので詳しくは書きませんが、途中に私が感じた違和感は、間違っておりませんでした。
秀逸なラブ・ストーリー&ミステリ
誤解の無いように言っておきたいのですが、本作の構成自体は本当に秀逸で、ラブ・ストーリーとしてもミステリとしても非常に楽しく読み進めることができました。こんな私も、約10年前は一端のイケイケ大学生だったため、本作に出てくるような合コンやその類も一通り経験しましたし、何だか甘酸っぱい恋愛模様の心情などについても懐かしさを感じることができました。
しかし、唯一のマイナスポイントが先述の裏表紙のコメントかな…と。つまり、『ハードルを上げられ過ぎた』と。
”最後から2行目で、本書は全く違った物語に変貌する。”
”最後から2行目で、本書は全く違った物語に変貌する。”
このコメントにより、私は年甲斐もなく『この先、どんなどんでん返しの結末が待っているのか!!』という大いなる期待を抱いてしまったのです。恐らくこのコメントが無ければ、普通に
『うぉぉ、なんじゃこりゃあ!!』
と、驚愕した様子のレビューをこのブログに載せていたことでしょう。
とはいえ、裏表紙のコメントによる吸引力で、実際に本を手に取った人を惹きつけることができなければ『購入されることすらままならない…』というのもまた事実。『イニシエーション・ラブ』を読んで、出版業界の抱える悩み、ジレンマにまで考えが到達した人間は、恐らく私だけでしょうよ…
こちらでも細々と呟いてます。良ければフォローしてやってください。
@liverpoolxabier