信長はなぜ葬られたのか/安部 龍太郎
近年、今までとは違う事実が少しずつ明るみになってきた感のある『本能寺の変』。
本書は、歴史小説作家の安部 龍太郎氏が考える『本能寺の変』を解説した内容。
自身の作品である『信長燃ゆ』のベースとなっています。
結果から申しますと、安部さんの考える『本能寺の変』の黒幕は、近衛前久。
明智光秀は単なる実行犯に過ぎない存在でした。
しかし、変後に明智光秀は前久を始めとする一連の計画者達に見捨てられ、主殺しの汚名を着せられた…というものです。
近衛前久って誰よ?
そんな疑問をお持ちの方も少なくはないでしょう。
近衛前久とは、簡単に言ってしまえば信長や秀吉と同じ時代に活躍した御公卿さんです。
しかし、そんじょそこらの御公卿さんとは違って、乗馬や鷹狩りなどを巧みにこなし、多くの武士と親交を築いた傑物です。
近衛前久今回は、そんな『信長はなぜ葬られたのか』を要約していきたいと思います。
第一章 消えた信長の骨
信長の骨の在処は諸説あるが、その1つが阿弥陀寺。
阿弥陀寺のその後の没落を見ると、『本能寺の変』のカギを握る羽柴秀吉の存在が見え隠れする。
阿弥陀寺のその後の没落を見ると、『本能寺の変』のカギを握る羽柴秀吉の存在が見え隠れする。
第二章 信長の真の敵は誰か?
日本の歴史は、勝者の歴史。
第二章の説が正しければ、明智光秀は近衛前久達に梯子を降ろされた形。
信長による院政や恵林寺の一件を許すことのできなかった前久が、変の黒幕として有力となる。
第二章の説が正しければ、明智光秀は近衛前久達に梯子を降ろされた形。
信長による院政や恵林寺の一件を許すことのできなかった前久が、変の黒幕として有力となる。
第三章 大航海時代から本能寺の変を考える
一見、何のつながりもなさそうな『大航海時代』と『本能寺の変』。
しかし、南蛮貿易の重要性やキリシタン勢力の力は信長の想像以上で、イエズス会との断交が終わりの始まりだった。
しかし、南蛮貿易の重要性やキリシタン勢力の力は信長の想像以上で、イエズス会との断交が終わりの始まりだった。
第四章 戦国大名とキリシタン
キリシタンの持つ潜在的な力は、かなりのものだった。
だからこそ黒田官兵衛は、関ヶ原の際に上方に決戦を挑もうとした。
秀吉もまた、信長同様に南蛮との断交で破滅していった。
その最たるものが、明国出兵だった。
だからこそ黒田官兵衛は、関ヶ原の際に上方に決戦を挑もうとした。
秀吉もまた、信長同様に南蛮との断交で破滅していった。
その最たるものが、明国出兵だった。
以上が、本書『信長はなぜ葬られたのか』の要約です。
本書を読む前でも読んだ後でもいいので、安部さんの作品である『信長燃ゆ』を実際に読んでみると、両者のリンクを実感できることでしょう。
歴史の醍醐味は、様々な可能性を想像できること。
私達が学んだ日本史は、所詮は後世の人達が作ったものに過ぎません。
これから時間が経つにつれて、本当の歴史が明らかになっていくことを切に願うばかりです。