『太平洋戦争、七つの謎』/保阪 正康
もう二度と起こしてはならない、戦争という名の負の遺産
タイトルの通り、太平洋戦争(第二次世界大戦)の七つの謎について解説された本ですね(当たり前か…)。
現代に生きる我々は、決まり文句のように 『戦争はいけないことです』 『戦争は二度と繰り返してはならない』 と言っています。
それは勿論その通りなのですが、一体当時の日本はどういった状況に追い込まれていたのか…今を生きる我々は、それを資料を通じて調べることは出来ても実際に肌で感じることは絶対にできません。『そんな国に束縛された生活なんてまっぴらだ』と、今の世ではいくらでも言えますが、当時は恐らくそんなことを言おうものなら村八分の状態にされた可能性もありますよね。
国に半ば洗脳されていた国民達
国にとって『非国民』という言葉は大変便利なキーワードで、この言葉を盾に取ればほぼ全ての国民が政治的に都合の良いように使うことが出来た。考えるだけで恐ろしい時代です。
これは私個人の推測の域を出ないのですが、『万歳』と見送られた兵士達は、自分でも何が万歳なのか分かっていなかったのではないでしょうか。最近読んだ司馬遼太郎さんの『翔ぶが如く』を読んでいて思ったのですが、明治時代初頭に発生した神風連の乱において、私は敢えて野暮な言い方をすれば『うわ、こいつら気持ち悪い…』という考えを持ってしまいました。
神風連の乱を起こした敬神党の、いきすぎた『国のための礎になる』的な考え方が個人的に非常に受け入れがたく、こういった常軌を逸した歪んだ精神と、日清・日露戦争で勝利を収めてしまった日本軍の驕りが第二次世界大戦におけるあの惨状とつながったのだと思っています。
明治維新の功罪
明治維新により日本は確かに西欧諸国に比肩する国力を手にすることができました。今となっては何が一番正しかったのかは分かりませんが、薩長を中心としたあの政府により、日本はあの戦争の渦中に身を置かなければならなくなったことだけは確かといえます。
※ただし、あのまま江戸幕府による政治が続いていれば良かった…ということを私は言っているわけではないことをここに断っておきたいと思います。
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