現役東大生が解説する効果的な読書法とは?『東大読書/西岡 壱誠』

浅見家の本棚

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東大読書/西岡 壱誠

今回取り上げるのは、現役東大生(刊行当時)・西岡壱誠さんによって書かれた『東大読書』という本。
これまで多くの『読書術』関連の本を読んできましたが、ようやく納得のいく一冊に出会えたような気が致します。

最近世間では、何でもかんでも『東京大学』というブランドに対してメディアが群がっている印象です。
この本もタイトルから察するに、その流行の1つなのかと幾分冷めた目で当初は見ていたのですが…内容については間違いなくおススメできるものだと思います。

現役の東大生や、東大出身者が普段どのような本の読み方をしているのか?
本書では、そんな東大生による本の読み方を…『仮説作り』・『取材読み』・『整理読み』・『検証読み』・『議論読み』という5つのステップに分けて紹介しています。

このブログでは、その5つのステップについて簡単に触れていきたいと思います。
詳しく知りたい…という方は、是非この記事に貼ってあるリンクから『東大読書』を購入してみてください。
読書の仕方がガラっと変わってくると思います。

STEP1 仮説作り

まず初めに挙げるのは、『仮説作り』というもの。
西岡さんが本書で解説している”東大読書”は、本を読む前…つまり下準備の段階から始まります。
ここでいう下準備とは、以下の2つ…【装丁読み】と【目標設定】です。

【装丁読み】
タイトルや帯からその本の情報を読み取り、付箋に書き出してまとめる。
付箋は本の見返し部分に張っておき、いつでも見れる状態にしておく。
【目標設定】
装丁から読み取った情報をベースに、その本から得られる情報を仮設として設定。
この設定した仮説が、その本を読む目標や目的となります。

装丁読みは『ミクロな視点』、仮設作りは『マクロな視点』をそれぞれ私達にもたらしてくれます。
この下準備をしているかどうかで、これから読み始める本の理解度に大きな差が生まれてくると著者の西岡さんは説明してくれています。



STEP2 取材読み

続いてのステップは、『取材読み』。
ただ漫然と本を読むだけでは肝心の内容が記憶に定着しにくいようで、以下に示すとおり取材をするつもりで読書に臨むと、情報が知識に代わりやすくなる…とのこと。

【質問読み】
本に書いて会う情報を鵜呑みにせず、自分の中で著者に質問。
これも付箋に書き出し、見返しに貼っておくと良い。
【追求読み】
一度読んだ内容に対し、再度疑問を抱きながら読んでみる。

取材という手段をとおして、自分から積極的に本に関わる。
この行為こそが、記憶への定着に一役買ってくれるわけですね。

STEP3 整理読み

ステップの3番目…『整理読み』という手順。
『著者の言いたいこと』と『それを補強する言説』を切り分けるこ…つまりは要約を意味します。

要約して、一言で言い表すことができれば内容を理解出来た…ということですね。
この『整理読み』についても、項目は以下の2つに分けられています。

【要約読み】
まずは各章から要約的な一文を探し、30文字以内にまとめる。
出揃った各要約文を、最後は全体のまとめとして140字以内に更に要約。
【推測読み】
今までの要約を見直し、新たな章が始まる際には次の展開の予測・推測しながら読む。

著者の西岡さんによれば、我々は本を読んで分かった気になりがち…とのことです。
要約して自分の言葉でまとめられなければ、その本の内容を理解したとはいえない…ということですね。



STEP4 検証読み

続いては『検証読み』になりますが、こちらについても2つの項目に分けられます。
”検証”と聞くとなんだか難しい気がしますが、同じテーマの本を2冊同時に読み進め、相違点や議論が分かれるポイントを探していく読み方になります。

その際に用いるのは、以下に上げる【パラレル読み】と【クロス読み】という2つの手法。

【パラレル読み】
同じテーマや関連性のある2冊を同時に読み進め、多面的な読み方を身に付ける。
【クロス読み】
同テーマの複数の本から、議論が分かれる耕作ポイントを探す。
ただし…その範囲はあまり広げないことが重要です。

疑問を持ちながら本を読んで要約し、この『検証読み』を活用することで多面的な思考力と幅広い視点を獲得することに繋がるようです。

STEP5 議論読み

最後のステップは『議論読み』。
ここでの”議論”とは他者と本について語ったり、SNSやブログで感想を書くことを指します。
つまり、アウトプットということですね。

【感想読み】
本を読む前に、自分なりに設定した仮説が正しかったかどうかを確認。
見返しに貼ってある付箋を見ると、確認しやすいですね。
【アウトプット要約】
自分が帯を書くことになったことを想定し、SNSやブログを通じて外部に発信。

『東大読書』の最後に行うのは、その本の意見が正しかったかどうかの確認です。
結果的に間違っていてもいいので、アウトプットを通じて自分なりの結論を出すことが大事…ということが、ここでは解説されています。

本書を通して学ぶのは、積極的な読書の大切さです。
私も含め、本を読む人たちはどちらかというと受け身の読書をしている方が大半だと思います。

しかしながら…本に書かれている『情報』を自分の『知識』に変えるためには、常に疑問を抱きながら本と会話し、著者の言いたいこととそれ以外の部分を整理して積極的にアウトプットしていくことが必要です。

受け身の読書は、もうやめましょう。
積極的な読書こそが、考える力や多面的な思考力、幅広い視点の獲得に繋がる…ということをこの『東大読書』から学ぶことができます。

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