その女アレックス 浅見家の本棚 #95

浅見家の本棚

その女アレックス/ピエール・ルメートル

2014年に大ヒットした『その女アレックス』。
ようやく本書を読み終えることができました。



ありきたりな表現で今回の書評を始めることをお許しください。

『まさか、このような結末になるとは…』。
正にこの一言に尽きます。

『その女アレックス』について

私は普段からミステリー小説をよく読みますので、これまで何度もどんでん返しのラストを飾る多くの作品に出会っては騙されてきました…。

その代表的な作家さんとしては、綾辻行人さんや筒井康隆さん、道尾秀介さんなどが挙げられますね。
しかし、本書『その女アレックス』のストーリーは、そのような従来からあるミステリーとは違ったどんでん返しが終盤に待ち構えています。

あまり多くを語ってしまうとネタバレになってしまうので、裏表紙の解説文をここでは引用させて頂きます。

おまえが死ぬのも見たいーーー
男はそう言ってアレックスを監禁した。
檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…

しかし、ここまでは序章にすぎない。
孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。
(本書・裏表紙の解説文より引用)

アレックスと、本書を彩る登場人物たち

外国モノの小説を読んでいると、時折名前がごちゃ混ぜになってしまいます。
そのため、私は登場人物を紙に書いて手元に置きながら読むようにしています。
幸いにも、本書の冒頭部分には登場人物一覧が掲載されております。



アレックス…本書の主人公、ストーリー冒頭にて誘拐されます。職業は看護師。

カミーユ…警視庁犯罪捜査部班長。先天的な問題で低身長。
ルイ…カミーユの部下。働かなくてもいい位の裕福な富裕層。
アルマン…同じくカミーユの部下。倹約家を通り越して、基本的にケチ。
ル・グエン…カミーユの上司。口は悪いが、何かと陰でカミーユを支える。
ヴィダール…予審判事。カミーユとは、折合いがよろしくありません。

ピエール・トラリユー…アレックスを誘拐した犯人。
パスカル・トラリユー…ピエール・トラリユーの一人息子。現在、行方不明。

キャロル・プレヴォ…アレックスの母親。職業は娘と同じく看護師。
トマ・ヴァスール…アレックスの兄。ただし、異父兄。そこは何故かこだわっている。

他にも殺人事件の被害者となる人物が何人か出ますが、主要な人物たちは以上です。
この人物たちが、どのようにストーリーうえでクロスしていくか、まだ未読の方はそこを楽しんで頂ければと思います。

ベストセラーもバカにはできない

昨日当ブログの別記事で紹介させて頂いた、『なぜランチタイムに本を読む人は、成功するのか。』(著・中谷彰浩)に書かれていた一文が頭から離れません。

理由なく売れている本は、1冊もないのです。
ベストセラーをやっかんで読まないのは、損です。
売れているものには売れているもののよさがあり、売れていないものには売れていないもののよさがあるのです。
(『なぜランチタイムに本を読む人は、成功するのか。』本文より引用)

天の邪鬼な私は、これまでいわゆるベストセラー本には手を出してきませんでした。
一時の流行に流されて変な本に騙されるよりも、自分の好きなジャンルの本を読みたい…との思いが強すぎたためです。

ですが…今回『その女アレックス』という、かつてのベストセラー本を手に取ったことと、中谷彰浩さんが書かれた一文を見てその考えは変わりました。

イイものはイイ。面白い本は面白い。
世の中は案外シンプルなものでした。



アレックスはシンプルではなかったのですが…。

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