夢を売る男 浅見家の本棚 #39

浅見家の本棚

夢を売る男/百田 尚樹

ありがちなサクセスストーリーではありません

色々な意味で”ショッキングな内容”としか言い表すことのできない、人気作家・百田 尚樹氏の作品が本書『夢を売る男』です。近くの本屋の小説(新刊)コーナーをぶらぶらしておりましたところ、インパクトのあるタイトルと、本そのものが表紙に描かれたいた装丁が気になり、購入してしまいました。

本書のタイトルと、冒頭部分を読み始めた時には『太宰治以来の天才作家』と新進気鋭の出版社、そしてそこに所属する熱意ある編集者とそれを支える仲間たちが織り成すサクセスストーリーなのかと私なりに予想をしながら読み進めていったですが…。

いやぁ、いい意味で期待を裏切られてしまいました。よくよく考えれば、百田氏程の人気作家さんが、そんなありがちなストーリーに仕上げるわけもないのですが。私の予想したようなサクセスストーリーであれば、とっくの昔に他の作家さんが作品にしているでしょうし、何より我々一般読者の予想を裏切り話題作を次々に世へ送り出しているのが、百田氏が百田氏たる由縁でありますね。




日本人と文章

本書には、ストーリー以外の小ネタ的部分において非常に驚かされました。それは、我々日本人の”文章”に対する特性のようなものについてです。要約してみますと…

①日本語は、ネット上で最も多く使われている言語

②日本人は、世界で一番自己表現したい民族である

という、衝撃の事実。私のようなどこにでもいるようなつまらない人間が、ここでブログを書いているのが動かしようのない何よりの証拠ですし、その他にも”小説家になろう”というサイト等を通じて多くの方が日々小説を書いており、我々日本人がいかにプロアマ問わずいかに自己表現をしたがる民族なのか…ということについてもひどく納得させられました。

小説家志望の方は、くれぐれもご注意を…

正に本書のキモはこういった日本人の特性を見事に付いた所が根底にあるのですが、これ以上語ってしまいますとネタバレになってしまいますので自重致しますが、最後に一言だけ言わせて下さい。

小説家を目指している方は、読まない方がいいですよ、間違いなく!!(営業妨害ではありません、悪しからず…)

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