超AI時代の生存戦略(落合 陽一)

浅見家の本棚

超AI時代の生存戦略/落合 陽一

もはやこのブログでは恒例となってしまった、落合陽一氏の書籍。
今回紹介する本は、2017年に第1刷が発行された『超AI時代の生存戦略』です。




人工知能(AI)が、これまで以上に私達の日常生活に関わってくる、これからの時代。
その新たな時代を生き抜いていく上でのヒントが、合計3章・34項目のキーワードとして掲載されています。

今回の『浅見家の本棚』は、その合計3章・34項目について要約していきたいと思います。

第1章 超AI時代の『生き方』

●ワークアズライフ
これからは、ワークアズライフを身に付けた人が生き残る。
ライフとしてのワークにし、できるだけストレスがかからない状態で働ける環境作りが大事。
→好きなことで勝ちを生み出していくことへの転換期。
●人間性の再認識
少しずつ曖昧になる、人と機械の境界。
コミュニティを作り、人が個性を保てる範囲にまで世界を狭めることがブルーオーシャン戦略へと繋がる。
●競争心と淡々とやること
この世界で他人と違うのは当たり前。
他人と違うことをするからこそ、価値がある。
一人一人がブルーオーシャンな考え方を持たなくてはならない。
●自己実現と責任と戦略
これからは、インターネットに管理される生活と管理する生活に分かれる。
どちらか…ということではなく、全ての生活スタイルが許容される。
『べき論』で語らないことが、超AI時代においては重要。
●信仰心
一昔前の『拝金・自己実現』信仰は、時代遅れ。
趣味や子育て、起業、科学など、それぞれの信仰心を持つ必要がある。
自分にとっての信仰心(価値基準)が無いと、ブレが生じてしまう。
●趣味性
AIが人間の代わりに仕事をすると、人間の可処分時間が増える。
仕事になる趣味を作ることができれば、ストレスレスのワークアズライフ実現に近づく。
●ギャンブルと報酬
『ドキドキ』『報酬』のギャンブル的要素を普段の仕事に取り入れられるかが、今後のカギ。
ワークアズラフには必要不可欠な要素。
●ゲーム性と遊び
21世紀は、遊びが他人の役に立つ。
『問題を立てる→解決する→報酬をもらう』このサイクルで、何でも遊びにできる。
ギャンブル、コレクション、心地良さ…これらの報酬が、人間を継続へと掻き立てる。
●完成物
自分の成果が可視化されると、仕事にも生活にもやりがいが生じる。
まずは『自分が楽しめる』こと。
その後に、価値を社会に問えば良い。
●アイデンティティ
遊びにおいては、とりあえず『やってみる』こと。
最初から自分らしさは必要ない、マネから入ってもいい。
時間と共に、その人らしい遊びとなる。
●時代性
次に考えるのは、『時代性を考える』ということ。
遊びは背景を知っている方が楽しめる。
『なぜ受け入れられているのか?』という時代性を考え対比することで、人との違いが生まれる。




第2章 超AI時代の『働き方』

●コモディティ化
時代の速度より遅い進捗は、無駄になる。
常に新しい技術を取り込み続けていかないと、特殊性は保てない。
●マーケティング能力
出口に繋ぐ能力のこと。
プロダクトを作る段階(つまり入口)から出口のことを考えることで、作った物を効率的に伝えられる。
●利潤の再投下
『今のビジネスモデルで利益が出ているものはどんなものか』を考える。
利潤は再投下される。
マーケットもビジネスモデルも、そうやって変わってきた。
利潤の向かう先を目指そう。
●AI系ツール
人間が追われている締切は、ほとんどが必要無いものの締切。
それを解決するには、ツールを有効に使うしかない。
そして、自由な時間を稼ぐべき。
●非合理的コミュニケーション
合理的に行うことは、なるべく機会に任せる。
コミュニケーション等の非合理的なものを人間が受け持ち、且つそれを受け入れるスタンスを取ると人生は豊かになる。
●オーディオとビジュアル
人間同士は、オーディオ(音声)とビジュアル(映像)でのみコミュニケーションが可能。
この2つが更に最適化されていくため、映像的に物を組立てることが基本スキルとなる。
●プレゼンテーション
『伝える』は『考える』よりも重要。
プレゼンベースで仕事をすると、情報伝達のための仕事設計になるので効率的。
●リサーチ&ディベロプメント
『機械→人、又は、人→機械』という発注のスパイラルのこと。
自分がリサーチ向きかディベロプメント向きなのかに関わらず、機械親和性の高い人間が今後は求められる。
●ソーシャルメディア
現代は、誰もが情報発信をできる時代。
有為性をどんどん発信していこう。
●マイノリティと政治
ほぼ全員が、同じ働き方をしていたこれまでとは違う(生き方の多様化)。
自分に関係のある政治に対して、常にアンテナを張っておくこと。
●アプローチ
SNSは、情報へのアプローチの1つ。
これからは、一人一人が情報発信を持つ時代。
アプローチ先は増やしておくこと。
●フックの付いた知識
隅から隅まで暗記する時代ではなくなってきた。
一度覚えて、一度忘れる。
どのような仕組みで成立しているのかをざっくり知っておき、あとは検索すれば良いだけ。
●スペシャリストとジェネラリスト
これからは、スペシャリストは大前提。
ジェネラリストには、全く価値が無い。
●トップ・オブ・トップ
トップにならないと、生き残れない。
だが、100人いれば100通りのトップの取り方がある。
ニッチな分野でトップになれば良い。
それで自分の居場所は確保される。




第3章 超AI時代の『生活習慣』

●ストレスフリー
『自分が主体的』だと思わないことで、ストレスは減らせる。
出所を、一歩引いて考えてみよう。
●身体性
デジタルツールを使って、体を動かそう。
結果が何らかの形で見えると、やる気も出るし、脳の機能を助ける。
●自傷行為と遺伝子レベル
遺伝子レベル(『これはきっと脳が欲しがっているだけだ』)を意識する。
例えば脂っぽい料理やお菓子を食べることを、他の報酬に置き換えられないか?
それが体のバランスを整えることに繋がる。
●コンプレックスと平均値
コンプレックスを感じることに意味は無い。
レッドオーシャンを戦おうとするから、コンプレックスが出てくる。
そこで戦わなければいいだけ。
美人の顔は、平均値に過ぎない。
●ファッションと平均値
個性は勝手に出てくる。
流行は気にしなくてもいい。
他人はそこまで、私達を見ていない。
●コミュニティからの友達探し
現代は、SNSで繋がってから友達になる。
人と機械の区別が付かなくなる中で、形だけの友達に意味があるのか?
普通に仲の良い友達と分けて考えなければならないのが、インターネット時代特有のこと。
●自動運転と移動コスト
自動運転の発達により、移動コストは安くなる。
家選びに対しての考え方も変わってくる。
●広義の投資
ワークアズライフの台頭により、今後は『老後』という概念が無くなる。
だから、貯金の意味も無くなるかもしれない。
→自己投資にお金を使うこと。
●趣味としての子育て
子供が少しでもやりたいことは全部やらせて、辞めたかったら辞めさせればいい。
平均値ではなく、ピーク値を求めることに時間を使った方が良い。

著者の落合さんによると…
『直近の15年間は、個別の産業で起こるシンギュラリティに好意的だった』
とのこと。

しかし、メディアの一部は例えば人工知能(AI)の側面だけを切り取って、批判だけを繰り返してきました。
『人工知能によって、人間の仕事は奪われる』等々…




大事なことは、そんな批判に惑わされることなく、やがて到来するAI時代に対する考え方を準備しておくこと。
最後に、落合さんはこのようにまとめています。

今を生きる私たちは、根拠のない不安が生み出す悲観的なディストピアより、テクノロジーの流動性がもたらすプロトピアの方向に向かっていかなければならない
(本文より引用)

と。

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