いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン(大塚 雄介)

浅見家の本棚

いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン/大塚 雄介

先日、仕事関連の人と話している際に『ブロックチェーン』という言葉が出ました。




『ブロックチェーン』…なるほど…確かに耳にしたことはあったかもしれません。

しかし、

では、『ブロックチェーン』について説明して下さい。

と言われたら、確実に答えることができないと悟った私は、その日の帰りに書店に寄って本書を購入しました。
タイトルから感じる、入門書の匂い。

でも、何ら恥じることはありません。
『本は知識で読むもの』と、私が敬愛する齋藤 孝先生は自身の著書で述べていました。
まずは基本的な知識を身に付け、そこから少しずつレベルアップしていきましょう。

では、今回も要約していきます。

PART1 ビットコインって何なの?

ビットコインはデジタル通貨の一種。
特定の国に属さず、参加者同士で運用されている分散型通貨。
ビットコインを始めとする仮想通貨は、ブロックチェーンにより過去の全ての取引が記録されていて、悪用されにくい。
ビットコインは、『買う』・『受け取る』の他に、マイニング(採掘)も入手方法の一つ。
ビットコインは、ブロックチェーンの存在により悪用されにくい通貨。

PART2 ビットコインの仕組みはどうなっているの?

ビットコインの信用
①誰も偽装・改変できない。
②特定の国や起業の思惑に左右されない。
③総量があらかじめ決まっている。
仕組みの根幹にあるのが、ブロックチェーン(分散型台帳技術)。
取引記録の一つ一つをブロックに分け、チェーン(鎖)の形で共有。
取引記録(トランザクション)は、ハッシュ関数に置換されているので改ざんできない。
マイニング(採掘)
新しいブロック(取引)をチェーンの最後尾にはめ込む鍵を見つける作業。
10分毎にレースが行われ、勝者にビットコインが与えられる仕組み。
ブロックチェーンにより、ビットコインの信用が成立。
しかし、マイニングの難易度上昇(一般人では太刀打ちできない)などの問題もある。




PART3 ビットコインの安全性や法整備はどうなっているの?

ブロックチェーンの存在により、コピーや改ざんされることは原理的に無い。
ビットコイン自体は盗まれることは無いが、取引所にログインする際のIDやパスワードの管理は厳重にする必要がある。
公開鍵暗号と電子署名方式を採用。
他人に見られても問題ない情報をやり取りするのみ。
日本は仮想通貨に対する整備を世界に先駆けて実施。
会計上の取扱いはルール作りが進められており、消費税については非課税取引。

PART4 仮想通貨とブロックチェーンはどこまで広がるの?

これからデジタル化は増々進んでいくが、ビットコインが勝ち組なのかどうかは分からない。
しかし、新たな仮想通貨が登場する度に、現金におけるドルや円のような基軸通貨としての需要が高まると予想される。
ナンバー2の『イーサリアム』は、資産管理のプラットフォーム。
通貨に、当期の内容が記録されているイメージ。
そのため、今後は有価証券や不動産の取引、相続、譲渡、納税に活用される可能性が高い。
仮想通貨とブロックチェーン技術は、試行錯誤の段階。
時間と共に、安定して使えるプラットフォームになると考えられる。




PART5 フィンテックが実現する未来とは?

フィンテック=ファイナンシャル・テクノロジー
ITの進化を活用し、低コスト&スピーディーな金融サービスを展開すること。
フィンテックの進化は、既存の金融ビジネスの変化をなぞる。
例)
①おまかせ金融商品(その人に最適な金融商品をコンピューターが提案)
②楽天の店舗向け融資サービス
③家計簿アプリ、クラウド会計
『フィンテック』は難しいものではない。
我々の身の回りにも、少しずつフィンテックが広がり始めてきている。

本書は、デジタル時代に新しく生まれたビットコインと、それを支えるブロックチェーン、更にフィンテックの今後の広がりについて書かれた入門書的な存在でした。
そのため、ビットコインやブロックチェーン、そしてフィンテックについての基本的な知識は習得することができたと思います。

しかし、一点だけ腑に落ちない点があったのも事実。
本書の著者は、コインチェック株式会社の最高執行責任者(CCO)である、大塚雄介氏。
コインチェックといえば、本年1月に仮想通貨『NEM』の流出事件で世を賑わせましたが、この本の刊行されたのは、それよりも前の2017年3月のこと。




あんな事件の後に本書を読んだので、『もう少しなんとかできなかったのか?』と思ってしまったのは、ここだけの話です。

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